逃げ腰

仕事の忙しさから目をそむけていたい、ひるむような、避けるような、および腰の姿勢をとり続けていたい。当事者ではありませんという態度でいたい。無駄だとわかっていても、与えられてるはずの権利を行使するかのごとく、かたちだけでも逃亡の身振りをとってみたい。けれどもそんなジェスチャーを示すことをあきらめて、仕方なくまともに取り組むことにした。浮かぬ顔のまま、みんなが集まってるいちばん奥の中央の場所に僕も座ることにした。内心で覚悟をきめて、いったんそうやって決断してしまえば、むしろすべてが早まるし、かえって気分も楽になることはわかっていたのだけれども、お母さんから叱られるのがわかっているのに朝いつまでもグズグズしてる小学生のように、往生際の悪い性格なのは昔からなのだった。