BCP

一昨日きまった計画が今朝さらに変更になって、しかも週明けには実施完了せよとのトップダウン指令。こんなことは前代未聞だが、何しろ完遂が必須で、それにともない必要になるアセスメントとか全部後回しなので、むしろバタバタ感もなく、最低限のなすべきことが洗い出されたあと、不思議な静寂のなかで粛々とすすむ感じ。

いまだかつて経験したことのないスピード感で、ものごとが進んでいて、でもスピード感と言えば聞こえは良いけど、要は突貫工事にどれだけ耐えられるのか、手続きの順序をカットするのはどのくらいまでなら許されるのか、トップダウン型の指示はどの程度まで乱暴でもなんとかなるのか、そんないくつもの仮想定、昨今のこの情勢を良い機会ととらえて、ふだんなら出来ない未曽有の実験が、結果的には試みられているのかもしれないけど、でもそれであとに残るのは、杜撰な仕事の残骸ばかりだとしたらどうなのか、思慮不足で配慮欠落の、雑な喰い散らかした跡、中途半端なやり残しの屑ばかりが積みあがっているだけ、そんなことになるのじゃないか。経験は糧であると、どんなときにでも言えるのだろうか、そうじゃないことも、往々にしてあるのじゃなかろうか。

午後になって、担当者とふたりで春の陽気のなかを隣駅のビルまで歩く。コートを着てくる必要もなかったほどの気温。まるですることもなく暇ももてあました二人が世間話しながら散歩しているみたいだ。

夜はE氏と会食。覇気無しやる気なしの、相変わらずの呆け面をこちらに向けているが、この人、飲食だけは律儀に重ねる人で、そこだけは億劫がらない。ほとんど毎晩ひとりで、どこかの店の席でとぐろを巻いているらしい。自分とこの人とが対面して飲み食いしているときは、双方完全に飲み食いだけが目的であり、毎度そのシンプルに愚鈍な時間を漫然と浪費することを、さほどわるくないひとときであると思っている。