The Killer Meters

バックビート、すなわち一拍目と三拍目に対する二拍目と四拍目。その裏のテンポが表に対してかすかに遅れるとき、何かがあらわれる。ソウルやファンクのリズムは、こうであってほしい、こうであるはず、といった時間的な予測から、つねにかすかにずれ続けていて、しかしそれでも予想から大きく外れるわけではなく、かろうじて、あるいははじめから、そのような事実であることだけは確信をもって、頼りなさと力強さ、どっちつかずのまま、どちらを信じて良いのかわからないまま、どちらの問いに対する態度も保留にしたまま、その不安と歓びをないまぜにしたまま、その状態のままが、どこまでも続く。それがグルーヴであり、それがファンクだ。というか、そのときに沸き起こるものを、そう呼ぶしかない。

キラー・ミーターズミーターズの曲をまっとうに、ほとんど何の工夫もなく、そのままカバーしているように聴こえるが、これは仕方のないこと。ミーターズの曲を変にいじくりまわしたりしたら、それこそ目も当てられない、すべてが台無しになってしまうし、そんなことをしても誰もよろこばない。ミーターズの曲はミーターズのまま演奏するしかない。むしろそれがもっとも良いことで、それが何かを伝える最良の方法だ。

 

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