Roedelius

野田務のレビュー(http://www.ele-king.net/review/album/007732/)に釣られて、レデリウスを聴く。自分はテクノは好きだけどそれはリズムとかグルーヴとかが好きだからなので、したがってアンビエントはわりと苦手で、たとえばブライアン・イーノが絶賛するようなたぐいの音楽は総じて苦手。そしてブライアン・イーノも昔から苦手である。けっこう幾度も聴こうとしてきたし、作品もけっこう所持しているのだが、いままで一度も、心から好きだと思ったことがない。このレデリウスもそうだが、ドイツ近辺のエレクトリックミュージックの祖先みたいな人達の仕事に対する感覚が体質的に鈍いのだとおもう。

でもこのたび聴いたレデリウス、これは良かった。こういうのを良いと感じている自分自身がとても新鮮。音のテクスチャー感がものすごく触感的。音楽じゃないものの物質感として届く音楽という感じだ。レビューにも「そしてすべての音響には、当時の録音による独特のこもり具合の温かみがある。」とあるが、まさにその通りで、それがすごくイメージ喚起的だ。聴いてるうちに平日モードの感覚が一挙にリセットされてボケーっとした休日のひとときに戻ったみたいになった。