鳥たち

今の時期だと、外を歩いていても鳥を見かけないのだ。ハトとカラスならいつでも掃いて捨てるほどたくさんいるけど、それ以外の鳥を最近まるで見かけない。セキレイムクドリヒヨドリオナガメジロ、あるいはアオサギコサギなど。ああいった種類の鳥たちは、季節によって場所を移動してるのかどうか知らないけど、春先から夏にかけてであればあちこちで頻繁に見かけたものだが、今や外界からすっかり消え失せてしまった感じだ。ここ数日、雨が多くて木々の緑の濃淡が水分を含んでじっとりと重く垂れ下がるような有様が、妙に初夏の手前頃を思い出させるので、鳥たちの不在が余計に違和感をもたらすのかもしれない。紫陽花は当然ながら全部の花がとっくに枯れ落ちて、今や全体に緑の葉が生い茂っているけど、それらも夜のうちに雨粒をたたえているのを見ると、もしかしてまた来週あたりに花が咲きだすんじゃないかと思うような雰囲気を醸し出してもいるのだが。