balla balla

さまざまな生き方、さまざまな生活のやり方が可能で、住む場所も色々で、色々なお金の稼ぎ方があり、色々な仕事のやり方があって、寝る時間も起きる時間も人によって色々で、いつ何をして誰に会って、何を見て何を面白がって何を食べるかも色々。誰もが色々。そのなかで、おいしいものや、面白い映画や、意表をつく文芸があらわれて、それをわかったりわからなかったり、なにしろみんなばらばら。ばらばらで取り留めなくて、まとめようがない。

薄口の醤油と濃口の醤油を合わせると、味に深みが出ます、薄口だけでは塩気が立ってしまうし、濃口だけでは醤油が立つ、双方を合わせると奥行が出てそれぞれの良さが味わえますって、そんな繊細な味覚ぜったいに持ってないから、そんなことしなくても大丈夫だと確信をこめて言える。

昭和初期の木造建築、兵舎として使われていた、いくつもの薄暗い電灯に照らされて、木と油と埃の混ざりあった匂いが、かすかな刺激臭として鼻を衝く。今では失われてしまった感触、そのときにだけ在った物の匂い、ある種の清潔さ。