量感

今年の桜は、わりと長持ちしそうというか、触ってみるとけっこう硬くてしっかりしてるような、これならあと一週間くらい容易には散らない気がするのだが。夜の帰り道に見上げると、今日あたりがおそらくピークではないかと思うが、とにかくものすごいボリューム感で咲いている。夜の暗闇に、花だけが白い塊で浮かび上がっている。梅とかそういう花と較べても、桜は決して「美的」ではなくむしろ存在感が主で、この分厚さというか、重みというか、まるで真夏の入道雲のような、広がりと奥行の両方をともなって目前に展開するところが、ほかの花にはない桜の個性だろうか。たくさんの人から認知されてるからかえって誤解されているけど、実際に相対すると世間的イメージとは全然違うみたいな。