渡辺省亭

上野の藝大美術館に行って、「渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画」を観た。渡辺省亭は1852年誕生1918年死没。1878年のパリ万博に日本人画家として出品し、その後パリ留学。帰国後もその作品は主に欧米諸国で高い人気を誇った。ロンドンで死ぬほど悩んだ漱石のような人もいれば、当時パリの画家たちと交流してそれなりに人気を博して帰国した省亭のような人もいたと。作品としては、ものすごい超絶技巧の和洋折衷型高級イラストという感じで、ちょっと竹内栖鳳を彷彿させるが、竹内栖鳳よりも技が豊富というか、技術的には渡辺省亭のほうが上手い感じがする。自分に求められている役割を正確に把握し、きちんと提示しうる、まるでオリンピックに出て結果を出す日本代表選手のようなお見事さだ。