1917

Amazon Primeサム・メンデス「1917 命をかけた伝令」(2019年)を、冒頭30分くらいまで観た。続きはまた後日。主人公たちに、カメラがひたすら付いていく。ワンカット風の撮影がどうとかよりも、一見してとても「ゲーム」っぽい、という印象を受ける。自分がコントローラーを握っていて、半自動で進むキャラクターを見ているような感じだ。

そもそも、ゲームの世界こそが、こういうのをはじめて目の前に見せてくれたのだったなあ…と思う。僕が家庭用ゲームをやっていた時期は90年代の数年間でしかないが、その時期にプレイステーショントゥームレイダー(2だったかも)をはじめてプレイして、ゲームがスタートして画面中央に軽く肩で息をして立っている主人公ララ・クロフトの後ろ姿があって、周りは見渡す限りの密林地帯で、あたりは静寂につつまれていて、遠くに鳥だか猿の鳴き声が小さくこだましてる、コントローラーを操ればララ・クロフトは走り出すし、ダンジョンを進めば色々とイベントが仕掛けられてはいるが、何もしなければ、あるいは周辺をさまよっているだけなら、何も起こらず画面はいつまでもそのまま、それをはじめて体験したとき、あまりの新鮮さに深く感動した。まるで映画のようだとも思ったが、なにしろこのままだと、永久に終わらない映画なのだ。あのとりとめのなさには、はっきりと新しさをおぼえたのだった。

その後作られた映画のトゥームレイダーよりも、元々あったゲームのトゥームレイダーの方が、「映画」として斬新だったという意味で、そちらをあらためて映画側に取り込むことができたらすごいことだと思うが、「1917」は今日、途中まで観た時点ではまだよくわからない。