夕食と共に

夜、わりと遅くに帰宅。最寄り駅前の閉店間際のスーパーで買ってきた食材で、ざざっと簡単に夕食の支度をして食卓に並べて、適当にテレビをつけてチャンネルを変えてみるけど、どれもつまらないので、録画しておいた映画やDVDをざーっと見返して、何かめぼしいものがないかを探す。食事をしてる視界の片隅に映ってるような、そんな観方の出来るものがのぞましいので、未見のものはダメ。と思ったけど、これ観てないけど、まあいいかと思って、ためしに一つ、再生してみたら、はじまってすぐ、ダメだこれは、結局きちんと観たくなってしまうやつだ、メシ食いながら観るのはとても無理…となって、停止して別の作品を探す。それでも、あれじゃないこれじゃないと時間ばかりかけて探してたらいつまでたっても食事ができない、意外とありがちなパターンなのでそれには警戒しつつ、こういうときは、とにかく深く考えずに、ものすごく適当に、ほとんど何でもかまわない、良いも悪いもなし、そんな緩さ全開の選別眼で、なるべく狭くかぎられた一画だけを対象にして候補を探す。ほどなくして探り当てた一枚を再生する。何度か観たやつだけど久しぶりだ。オープニング、冒頭の場面、次の場面と観ていく。こんなにガサガサと騒がしい雰囲気だったかなあと思う。懐かしいような新鮮なような、しかしさほど面白くはなくて、ああ良い選択をした、いい按配で今の興味関心からズレてて、適度に無視が可能な、これぞ最適なやつだと思った。食事を終えて片付けるまでの三十分かそのくらいまで再生していた。