核マネジメント

今住んでるマンションの部屋の、水回りとか、壁とか、あるいは、昔から使ってる財布とか、キーケースとか、靴や鞄とか、何もかも、経年劣化していくもので、最初はきれいだったものが、いつまでもそのままであるわけはなく、少しずつ汚れて、色あせて、やがて朽ちていくのは、あたりまえのことだ。買ったものが、いつまで物質としての原型をとどめているのか、それは契約時点で保証のかぎりではないことも多いだろうが、あらゆるものはすべて朽ちる。とくに想定使用期間の長い物件であれば、保守メンテナンスを考慮しないわけにはいかないはずで、それでテレビのニュースを見てふと思ったのだけど、世界各国で保有されている核兵器は、あれらは最近どういう状態になっているのだろうか。ICBM(大陸間弾道弾)なんかは僕が小学生の頃から話題には出ていて、そういうテクノロジーの粋を極めた物凄い兵器が配備されているのだという話ではあったけれども、あれから四十年近くが経過していて、そういうミサイルの維持管理はいったいどうなっているのだろうか。素人考えではあるけれども、それだけ年月が経てば、おそらく表面は錆び錆びのボロボロなのではあるまいか。なんとなく、さびれた港の浜に陸揚げされた老朽漁船みたいなイメージを思い浮かべたくなるのだがどうなのか。これ、まだ動くんですか?と聞いたら、当然動くよ、まだ現役だよと答えるけど、でも現役には見えないねえ、みたいな。そもそも四十年も前の未だに一度も実稼働してない飛翔体なんか、いまだにメンテナンスするものだろうか。エンジニアならさすがにバージョンアップしたくなると思うのだが、そこはさすがにやってるのだろうか。じつはもはや実態がなくてもエビデンスだけで保有してると認めるような仕組みが存在してるとか、そういうコスト削減が共有されてるのではないのか。