Cleo Sol

音楽を聴いていて「面白い音」や「斬新な音」にそうそう頻繁に出会えるとは思わないけど、「これはちょっといいかも」と思えるものはたまにある。最近だとCleo Sol「Mother」がそれだ。ふつうに聴きやすいサウンドとボーカルで、聴き慣れたような楽曲が大人しく品よく並んでるだけのようだけど、よく聴いているとどの曲もがまるで新しい設計方針で組み上げられているかのような感触がある。少しボリュームを上げて楽曲全体を聴くとよくわかる。演奏として技巧的にどうとかではなくて、しかしオーガニックとか言われてもこれはぜんぜん"自然"ではないような、いや"自然"とは、そもそもこういうことなのかもとか思いつつ、なにしろとても不思議で魅力的な感触をもったアルバムで最近くりかえし再生している。1曲目から2曲目へ切れ目なく曲がつながっているのだけど、2曲目の楽器群それぞれの、断片がひたすらミニマルにくりかえされてるような鳴り方とか距離感とかすごいと思う。