時候

9月に入っても、まだ暑いですよね、と言われたり、最近、ようやく涼しくなりましたね、と言われたり、時候を主題とした話しかけの選択も今の時期は人それぞれになりがちで、そう言われたら、こちらは何と返せば良いのか、かすかに戸惑いながらも、まあたしかに、夜は最近、涼しくなりましたよね、でも日中はまだまだ、かなり、日差しが強くてねえ、今朝だって朝から、真夏みたいに照りつけてましたからねえ、などと、こちらも記憶を辿って、相手の言葉に近づいて、どこかに接点を持とうとするのだけど、あまり上手くはいかずに、それを聞いた相手が、ややうかぬ顔で、はあ…と無理やり相槌をうつとか、適当な愛想笑いで、あー、そうですよねえ、、と適当にやり過ごされたり、あ、たしかに、そういわれればそうだった!などと、むしろこちらに合わせる素振りを見せたり、など、それぞれさまざまだ。しかしそのくらい人によって感覚が違う時期ではあるのだろう。電車の中でも、はげしく汗をかいてる人もいれば、上着を着て涼しげな人もいれば、がんがん冷房が入ってもいれば、ほぼ無空調なときもある。しかし通勤時間は、先月にくらべると、何しろ学生が増えたなあ。まあ小さい自分の世界の中にうつむいた恰好でジッとしていて、皆さんかわいいから、いいんですけど。