あの猫

駅から家までの道の途中、たまに見かける猫がいるのだが、今朝家を出たとき、その猫がいきなり目の前にいた。ええ?っと驚いて、でもとりあえず、すぐにスマホを出して撮影した。スマホを向けられた猫は、さささーっと逃げていったのだが、かろうじて枠内の被写体に収めることができたので、すぐ妻に送信する。

どこの猫かしら、と妻は言う。ほらあの猫でしょ、と僕は言う。妻は、半信半疑である。あの子が、うちの前まで来るかしら、と疑っている。でも、どう見てもあの猫じゃないか、体つきも色も模様も、あの猫にほかならないではないか、あれとこれが、別の猫だなんて、ありえない。でもこんな遠くまで来るかしら?と妻はなおも疑う。

結局意見は一致せず、撮影した写真を拡大して、背中の模様を確認出来るようにしたうえで、次回あの猫と出会ったとき、その背中としっかり見比べてやろうともくろむ。