循環

軽い貧血、あるいは不整脈な予感、あるいは手足の痺れ、力が抜けていく感じ、内容が無くなる感じ、気温の上昇にともなって心疾患を感じさせる身体的な様々な兆候が思い浮かばれる、というようなことは、毎年かすかに思う。誰もの血管が、まるで植物の茎のように、ほんの少しだけ拡張し、そこへ吸い上がる養分のように血液がのぼり、あるいは不足をおぼえ、組織は酸欠を感じ取る。春はあけぼのでもあり、窒息の予感でもある。制御基板の負荷テストの季節でもある。止まりそうであること、止まってしまうかもしれないことへの恐怖と、それと見分けのつかないほど薄く貼りついてる淡い期待でもある。