U-NEXTで黒沢清「復讐: 運命の訪問者」(1997年)を観る。臆病で気の小さい兄と、粗野で暴力志向的な弟と、片足が悪く杖をつく采配者的な雰囲気の女が、本作の悪役三人衆で、なんか、本気なのかそうでもないのかよくわからない、煮え切らないというか一枚岩でない収まり悪いこのチームの雰囲気が、如何にも黒沢的で、ふと同監督の近作「Cloud クラウド」を思い出す。
あれほど猛烈な銃撃戦はなくて、丈高い草叢の中を、互いに身を潜め合いつつ相手を狙うのだが、もし登場人物全員の発砲数を数えたら、かなりの数にのぼるだろう、それも「Cloud クラウド」を思い出す理由だ。
相手に向けて何発も発砲しているのに、銃弾は意外なほど命中しない、命中したとしても防弾チョッキのおかげで致命傷にいたらない。かと思えば、たまたま防弾チョッキを着ていなかった小日向は、元同僚である哀川の銃弾を受けて死んでしまう。弾が当たるのか当たらないのか、防弾チョッキを着てるのか着てないのか、それはわからないけどとにかく撃つ。銃声は何発も鳴り響く。
しかし哀川の奥さんまで死んでしまうなんて、あまりにも可哀そうな展開だけど、主人公にはっきり復讐の理由があるのは、かえって観てる側が、どこか居心地悪い気にさせられる。イーストウッド演じるアウトローが村人を助ける話のようにはいかない。大義名分ってほどじゃないが、気持ちはわかると言って良いのか、これがわかるということなのかどうか。
そのあたりの「いやな予感」みたいなものが、シリーズ次作以降、いよいよ真正面から取り上げられて、煮詰められていくのだと。