20th Century Blues


音楽なんかの場合、単に何かモノを叩いてみるとか、単に声を発してみるとか、そういう超プリミティブな次元から音楽が立ち上がってくる瞬間を捉えようとする人たちというのが居る。この試みは、面白いのもあるし、そうでもないのもある、のだと思う。実は、そういうスタイルの音楽をあまりよく知らないのだが。


僕の好みという事なのだが、やはりブルースがベースとなってるものが好きなのだと思う。「音楽が好き」なのではなくて、「ブルースベースの音楽が好き」って事でも良いかも知れない。…ここで言うブルースの定義は、僕が脳内で勝手に独自の定義をしているので、一般定義とは当て嵌まらないと思う。でもまるきり違う訳でもなくて、重なる部分も多いとは思うが。


僕の定義は結構シンプルだ。「繰り返す」こと。これが感じられるものであれば、僕は全部「ブルースベースの音楽」に括ってしまう。だからほぼ、ありとあらゆる音楽が当て嵌まるのだと思う。


僕はクラシックと呼ばれるような音楽をまったく聴かない。というか、クラシック音楽とはどういう体系とか文脈の中で、どういう登場人物がいて、どういう内容のモノなのか?という次元で、まったく判っていない。つまり僕はヨーロッパの音楽をまったく無視している。という事と思われる。


僕の音楽的興味はたぶん、アメリカなのだ。当然、ほぼ全て20世紀以降のものである。あるいはアメリカが搾取した第三世界や辺境の音楽、つまりワールドとか、オルタナティブを含む広義のアメリカン・ミュージックなのだろう。音楽とはアメリカ音楽の事であると断言しても過言ではないくらいの勢いで、リスニング経験を重ねて来たのだと思う。


更に、より詳細に考えれば、それはアフロ・ミュージックという事になるだろう。「繰り返す」こと。この源泉がアフロ・ミュージックにある事は間違いないと思う。この「繰り返し」こそが、20世紀以降のすべての表現の基礎になっているとさえ思う。この繰り返しの感覚をわからないものは、世の中渡っていけないのではないか?とすら思う。(まあ今は既に21世紀なのだからまた事情が違うのかもしれないが、少なくとも僕は今後とも20th Century Boyなんです)