2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

Donald Fagen「Kamakiriad」はCDと聴きくらべる意味がないほどに、いま配信されてるハイレゾの音質が素晴らしい。音質が素晴らしいがゆえに、各楽器要素の融合と分離の関係、その震えるようなニュアンスが、直接肌に触れるような感覚で迫ってくる。全8曲で、…

神田駅を降りて、居酒屋の連なる繁華街の賑やかな様子を眺めながら歩いている。 歩く人、店の看板をじっと見つめる人、立っている客引きの人、テーブルの合間を行き交う店員、狭い席に向かい合う人々、店から出てすぐの場所に留まる集団、カウンター越しの対…

LPレコードが衰退し、かわりにCDが台頭して、曲の並び順という制約が弱まった。これはCDからデジタル音源を取り扱うようになってさらに無きものとなった。 Princeは1988年リリースのアルバム"Lovesexy"で、CD収録した楽曲についてはトラック毎に分割を施さず…

フリートウッド・マック"Tango in the Night"が古びてない、今も古臭くないって、どういうことだ?どう聴いても古いじゃないか、と思う方々も多々いらっしゃるとは思うが、それはたぶんその通りで、このアルバムをここ数日、くりかえし聴いてる自分の頭がお…

たとえばPrinceの"Parade"(1986年)とか"Sign O The Times"(1987年)を聴くと、意外に古さを感じさせるところがないではない。たとえばスネアの2泊目と4泊目の異様なリバーブの強さ。それは勿論、作り手がそれ以外の装飾的な要素を意図的に欠落させたがゆえに…

youtubeでたまたま見た1997年のフリートウッド・マックの演奏が素晴らしかった。 www.youtube.com フリートウッド・マックのアルバム"Tango in the Night"をあらためて最初から最後まで聴いて、アルバム全体が今でもまったく古びずに素晴らしいことにいまさ…

Kate Bush /David Gilmour - " Running Up That Hill " - YouTube youtubeでたまたま見たケイト・ブッシュのライブ映像。デヴィッド・ギルモアの弾くスタインバーガーがかっこよくて、この音とこのフレージングでこんな風に演奏されると、はげしく魂をわしづ…

ブーツを修理に出したら、内金を取られて、しかも修理完了まで一か月から三か月かかるかもしれないとのこと。こうなると待ち時間にせよコストにせよ馬鹿にならなくて、だったら買った方が早いみたいな方向へ、気持ちが動きがちになる。 やはり消費者一般とし…

Netlixでデヴィッド・フィンチャー「マンク」(2020年)を観る。交通事故で足を負傷した脚本家が、それでも期日までに何としてでも脚本を書き上げるため、自室に口述筆記者を呼び込み、アル中なので時折深酒して昏倒しつつも、昼夜仕事を続ける。その合間に十…

坂川と呼ばれる川沿いに立ち並ぶ住宅建物の不揃い感というか、古い建物と新しい建物との混在している様子が面白くて、いつも辺りをきょろきょろと見回しながら歩く羽目になる。 土地開発というと、あたり一帯を大きく塗り替えてしまうようなやり方が普通なの…

メタセコイアの高さを見上げる、または、川の流れを橋から見下ろす。その逆は可能か。川を見上げるのは難しい。たとえ水中に潜った状態から上方を見上げても、その川を見上げたことにならないだろう。 しかし木を見下ろすことのできる位置にまで移動するのは…

秋らしい晴天の下、水元公園は盛況だった。人がたくさんいて、犬がたくさんいた。水鳥たちはあまり多くなかった。無数のカモとカモメと、一羽のカワウ、二羽のサギを見かけた。 犬は人間と同じ目的で、公園に来ているような感じを受ける。公園がどういうとこ…

配送されたスピーカーを早速設置し、まずはSteely Dan「Gaucho」より"Babylon Sisters"を、続けてDonald Fagen「Kamakiriad」より"Trans-Island Skyway"を再生する。とくに後者がいい。原音に忠実で極力正確と言えばその通りで、じつに生真面目な、きちんと…

中南米系な面立ちの、たぶん十三才か十四才くらいではないかと思われる女子が、公園で自転車の練習をしていた。よろよろと、しばらくの間、上手く乗れているようで、しかしやがて腰砕けのようになって、大きく自転車が傾き、あわててサドルから身体を離す。…

雑居ビルのエレベーターの、閉まるときに赤く点滅するドアと養生されっぱなしの内壁に囲われた狭さ。目的の階でドアが開くと、そこはスマホの修理屋だったり、パソコン教室だったり、鮨屋だったり、イタリア料理店だったり、美容室だったりする。昔ならレン…

スピーカーを購入した。もともとリビングで使用していたスピーカーに対して少しずつ溜まっていた積年の不満があり、これが最近になってやけに気に障るようになってきたせいだ。先月あたりから自分のなかで突然始まった、スティーリー・ダン~ドナルド・フェ…

大きめのリュックサックを背負っている。シンプルでのっぺらぼうな見た目だけど、脇に開け閉め可能なファスナーがついているので、背負ったまま後ろに手を回せば、内容物のほとんどに手が届く。背中からリュックを下すことなくモノを取れるのが便利なので、…

小林信彦「ぼくたちの好きな戦争」を読んだ。戦争に関する有名な過去の小説作品、「高い城の男」とか「スローターハウス5」とか「野火」とか…、戦争を描くにあたって本作はまず、そんな過去作品の形式を(悪ふざけや荒唐無稽も含め)意識して書かれたものだろ…

DVDで小津安二郎「秋日和」(1960年)を観る。岡田茉莉子が主演ではないけど、ほぼ主演級というか、結果として岡田茉莉子がすべてを喰ってしまうほどに圧倒的。 おせっかいにも他人の嫁ぎ先だの母親の行く末だのを興味本位、面白半分でああだこうだ言う佐分利…

DVDで小津安二郎「晩春」(1949年)を観る。これ、まだ占領下時代の作品なのだな、原節子が「娘」として、結婚について悩むのは「晩春」と「麦秋」だけなのだな…と、今さらのように思った。とはいえ小津作品における原節子は、役柄としての立場は違えど、いつ…

Netflixでデビッド・フィンチャー「ザ・キラー」(2023年)を観る。殺し屋という稼業の登場人物だからこそ、その毎日はつねに「世をしのぶ仮の姿」である。仕事をするための道具は、人が世間で生きていくために必要なものとさほど違わない。クレジットカード、…

ここ最近、肌寒くなってきたとの声を聞くが、だからと言って油断はできないとの思いがある。 なにしろ三か月以上、酷暑のなかを這いずり回ったことの恨みつらみが、いまだに消えてない。したがって今さら冬の準備をと言われても、そうそう直ちには信用できな…

想像するに、画家が「自分が画家で良かった」と思う瞬間があるとしたら、それは自室アトリエに自作をたくさん並べて、それらをあてどもなく眺めているときではないだろうか。そのときの画家は、絵画を観ることの歓喜にこころが満ちていることだろう。 画家は…

「他人にひたすら迷惑を掛け続ける人間」は今の世に少ないが、昔なら「寅さん」がまさにそういうキャラクターだろう。「寅さん」は大衆から支持され愛された。それを許容する何らかの力によって「寅さん」は成り立っていた。 「アウトロー」が大衆から愛され…

青山通りを歩くオシャレでカッコいい二人の後ろ姿を見ていた。シュッとスタイル良くて、まるでファッションモデルように、並んだ黒い棒のように、こころもち肩を寄せ合って仲良く歩いている。 経済的に裕福なのか、最新流行の洋服に身をつつむのが趣味なのか…

グレッチェン・パーラト 1st show を予約したブルーノート東京へ。グレッツェン・パーラト(Vo)、デビッド・クック(P)、アラン・ハンプトン(G、B) & マーク・ジュリアナ(Ds)の編成。ピアノとベースとドラムの構成で、決して派手ではなく、どこまでもしっとり…

午前中は休日出勤。それにしても平日の朝と夜しか知らない横浜の休日が、なんと落ち着かない、人混みと喧噪のひどいことかと思う。終わって帰る前に、ビール一杯飲みたいだけなのに、昼時なのでどの店も芋を洗うかのようなろくでもない状態でうんざりする。…

小林信彦「天才伝説 横山やすし」を読んでいて思うところとして、きっと一度でも映画作りの魅力にとりつかれてしまうと、とりわけ主演とか監督という立場を一度でも経験してしまうと、以降それ無しの人生なんて考えられないというほどに、映画作りには麻薬的…

小林信彦「天才伝説 横山やすし」で、読んでいる箇所がちょうど八十年代あたりなので、たけしという人物がもつ突出した才能への言及が各所にちりばめられていて、それら一つ一つがどれも印象に残るものばかりで、横山やすしという良くも悪くも形式としての漫…

ある本を読んでいたら、ある問題をめぐって関係者が入り乱れて、本来キーパーソンになるべき幾人かに<良い意味での政治性>がまるでないので、それがことをややこしくまとまらないものにしている…という箇所があって、このケース、この業界、この時代に限ら…