2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

期待過去

季節柄、午後三時を過ぎると光がすでに西日の色合いを深める。公園にも路肩の並木も、今年は紅葉の色付きがまるで中途半端で、色付く前に落葉がはじまってしまった感じがある。おそらく台風や秋以降の気温変化のせいではないかと思うが、なにかみずぼらしく…

ディナーショー

趣味で作ったみたいなシステムを引き継ぐだなんて、なんとも微妙だとKさんは思ってる、そういう表情をしている。何かあったとき、どこまで手を入れられるのか、稼働責任のレベルを、どれだけ正確に要件および見積もりに反映させられるか、こういうぼやっとし…

年女

横浜、夜景、ベイクオーターの光、ゼロックス、資生堂、キラキラ光っている。でももう見飽きちゃったので、なんとも思わない。あのソニーの新しいビルが完成したら、ますます光が増して、このへん一帯、夜なのにまるで真昼みたいになるかも。 彼女は誕生日が…

空しさ

その違和感は、自分に起因するのか、自分以外に起因するのか、どちらが変わったのかわからないみたいなことは、いまだに、たまにある。自分で自分が空しくなるとしたら、それは何かつまらないことに夢中だったかつての自分を思い出したからかもしれないが、…

匂い

ふと匂いに気付いた。いつ、どこでだったのかは忘れた。それがどんな匂いだったのかも、もう忘れた。それに気付いた、ということだけはおぼえている。小学校一年のときに、友達と入り浸っていた駄菓子屋兼ゲームセンターの椅子の匂いだった。椅子なのか、熱…

消化日

今日も一人の休暇、午前中はこのブログ記事を書いていた。昼は八丁堀の店でランチを摂る。ビジネス街なので昼は異様に活気があって、従業員はみな顔が殺気立っている。先週も今日も酒を飲んでるのは自分だけだ。忙しなくてあまり居心地がいいとは言えないが…

ふたば

昨日は食事から戻って風呂入って就寝、今朝気づいたらすでに朝九時前で、両者共にこんなたくさん眠ったのは、ものすごく久しぶりのこと。二人とも飲みすぎです。 部屋のカーテンをあけて窓の外を見下ろすと、まだ午前中の大通りは人も車も少なく、自分らのい…

名古屋へ

午前十時過ぎの新幹線で名古屋へ。途中、曇り空のせいで富士山は見えなかったけど、沼津を過ぎたあたりで分厚い雲の向こう側に鮮やかな青色がのぞきはじめ、その割合がしだいに増えていった。名古屋の手前で雲は完全に消失した。車窓の向こう、住宅や低いビ…

ランチ

休暇だが、1人なので、久々に昼からフレンチだ!となって、予約を入れて着替えておもてにでたら驚くほどの真冬のような寒さ。そして雨。暗く重々しい色の空。風もあってときおり傘を持っていかれそうになりつつ駅まで歩く。こんな絵に描いたような悪天候の日…

休暇の前日は、何事もなく業務が終わってほしいとの思いで疲れる。こんなに気疲れするくらいなら休みなんか取らない方がかえって楽だというのは、意外に誰もが思っていることでもあるし、僕もわりとそんなところがあって、ふだんはいわば休むことをサボって…

This Is It

夕食後、なんとなくテレビをつけたら、マイケル・ジャクソンのThis Is Itが放映されていて思わず見入ってしまった。ステージでダンサーたちとリハーサルするマイケル・ジャクソンの服装が何種類かあって、別日の撮影をつなぎ合わせているのだろうが、そのう…

マスヒステリズム

帰宅途中の夜道で、シャッフル再生中のイヤホンから突如として高柳昌行の「マスヒステリズム」の3曲目が再生されて、これがじつに素晴らしくて10分弱のあいだうっとりと聴き入った。おおよそエレクトリック・ギターにおける最高純度のノイズが、うねりつつ高…

席替え

オフィスで席替え。PCやらモニタやらキャビネットやら椅子やらを移動する。移動先の人も別の場所へ移動するし、その人の移動先も移動準備中なので、物事の順序として自分をいちばん後発とし荷物を一時退避して、来るべき他人の移動を手伝う。ばたばたと夜遅…

家事

来週は豊田市、名古屋、掛川、三島と、東海道沿線をめぐる旅行を計画しているので、一日目の夕食をとる店を絞り込む。旅の目的というか楽しみの割合としては豊田の岡﨑乾二郎展が5、掛川のハシビロコウが5、名古屋と三島のごはんがそれぞれ1だ。それだと10越…

Sounds On The Beach

ビーチ・ボーイズの"Girls On The Beach"を聴いていると、ほとんど廃人同然になってしまう。すべての判断能力を奪われ、すべての好悪が、すべての欲望が解体されて、ただ痴呆的なぬるま湯にじっと浸かって薄笑いを浮かべているだけみたいな状態になってしま…

オンライン

残念ながら短期で去ることになったゲーム女子と小さな送別会をひらいてお別れした。 ゲーマーは、そのゲームの世界観が好きで、それに賛同する仲間たちとのひとときが好きである。彼女らはSNSを使ってやり取りしながらチームプレイして、戦果を分け合いアイ…

幸福

死にたくなるほどの孤独を感じたことは、たぶん一度もない。あるのかもしれないが、記憶にない。寂しさや人恋しさという感覚を人並み程度には知っているつもりだが、孤独感に苛まれて一晩中涙に暮れた経験もないし、自分自身がそこまで追い詰められてしまう…

老眼

12月の週末の予定が、ばたばたと決まりつつある。年末が近づいてきたと、それが少し実感されるのだが、妙なことに、今月の後半がこれからやってくるという事実には、あまり実感が沸かない。一、二週間くらい先のことなんか、あれよあれよという間に押し寄せ…

感覚

目薬を挿すと、香りがする。とくにサンテFXは、かすかに墨汁を思い出すような香りがよくわかる。鼻から嗅いでないのに、顔の奥から外側へと、香りが抜けてくる感じ。目も鼻も耳も口も、内部でつながっているのがわかる。ハナノアという鼻孔内洗浄液があるけ…

来たるべきもの

明け方、いやまだ真夜中だったと思うが、僕とある女性がテーブルに向かい合って座っていた。ここはおそらく池袋の北口を出てすぐのビルの二階を上がったところにある古めかしい喫茶店だ。ドアを開けてすぐの二人掛けの席にいた。相手は花柄模様の濃くて渋い…

外食

買い物に行く途中、おそらく社会人のチーム同士が休日の中学校校庭を使ってサッカーの練習試合をやっている脇を通りかかる。誰もみな、体がでかくて、全力で走り回って、砂埃を立てて、吼えるような大声で、広いグラウンドを縦横無尽に駆けずり回っている。…

お香

外出にはうってつけの晴天だが、妻は風邪が治らず自宅静養で、こちらも朝食のあとうつらうつらと居眠りしたり音楽をかけたり、立ったり座ったり落ち着きなく目的も欠いた漫然とした時間を過ごす。そんなときに部屋でお香を焚くのは好きで、最近はほぼ毎日焚…

明日はきっといいことがあるさ

いつものEさんと定例飲み会の予定だが、今日は一人ゲストを連れてくると言う。誰が来るのか聞いても教えてくれない。来るか来ないか、わからない。もしかしていつも通り二人になっちゃうかも、と言う。それで大体察した。ああ、まあがんばってねと思った。 …

久保さん

合コンをした。高校二年のときだから、今から三十年以上前である。僕が通っていたのは男子校で、わりと仲の良い五人くらいの友人たちと、どんな経緯だったのかはわからないけど、どこかの女子高の子が五人で集まって、それで多摩の奥の方にある山の中の巨大…

California Girls

先週末からThe Beach Boysのヘビーローテーション週間が続いている。もし明日、宇宙人が地球にやってきて、言語学者が彼らとなんとかメッセージを交し合おうとするなら、彼らにこの地球上の価値あるものとして、何を伝えるだろうか。バッハやモーツァルトの…

パンダ

昨日の明け方だったが、わー!っと叫びながら目を覚まして隣の妻を驚かせた。何の夢を見たのかを聞かれて、パンダの夢だと正直に答えた。なんでパンダが怖いのよ、かわいいじゃない、と言われて、説明を放棄した。あの怖さを相手にわからせるような説明を、…

樫村晴香ソロトーク(二回目)

RYOZAN PARK巣鴨の樫村晴香トーク(二回目)を聴く。最初にA3の紙一枚に印刷された、今度の文学界12月号に載る最終稿らしいエッセーが配布され、読んだらものすごい文章だったのでかなりの衝撃。部分部分ですごい表現があって、その言い方の速度に打たれるとい…

メッセージ、井上実

ドゥニ・ヴィルヌーヴ「メッセージ」をDVDで。一度観ているのだが再見したら思いのほか面白く思った。面白いというか、とくに前半の、むっつりと不機嫌そうな憂鬱そうな表情のエイミー・アダムスの醸し出してる雰囲気が良いのだ。人影のまばらな大講義室だと…

メランコリアとキラー・インサイド・ミー

明後日の樫村晴香ソロトークにあたり「事前に観ておくと良い」と提示された三本の映画のうちAmazon Prime Videoでラース・フォン・トリアー「メランコリア」を観る。トリアー観るなんて久しぶりすぎるというか、昔「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と「ドッグ…

渋谷再会

九月で職場を去った人の、その後いかがですか会のために渋谷へ。集まったメンバーはかつてその人の内輪歓迎会と内輪送別会をやった僕を含めた三人と当人。一か月ぶりに会って、ひさしぶりの感も勿論感じながらも、なつかしいこの声と抑揚、あーなるほど、や…