2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「星のしるし」柴崎友香

この作家の小説をはじめて読んだのだが、大変面白かった。読んでる間はずっと面白くて、読了して、とても幸せなひとときでありがとうございました。と思うほどであった。でもいかにも感想みたいな感想は書けない感じで、今から何をどう書いて良いかわからな…

テキストの生死

たまたまインターネットで調べものをしていて、おもしろいやりとりを発見した。http://oshiete1.goo.ne.jp/qa2928589.htmlWindowsでのファイルのタイムスタンプに関する技術的な質問なのだが、妻の書いたモノをついこっそりと読んでしまった夫という質問者個…

テクノテクノ

最近はひたすらテクノばかり聴いてる。過去の所謂ハードミニマル系とか有名な人のMIXものとか各種音源を今更のように片っ端から購入して、現在入手困難であれば中古でもヤフオクでも使って手に入れて聴くという、いわばかなりお勉強的な態度で聴き続けている…

信仰の溝

制作するときだけ神様を信じる、という言葉があるが、ということはつまり、制作の直前までは神様について考えているのだろうと思う。あるいは、神様とかとはまったく別のことを考えていたりもするのだろうと思う。そして、いざ制作が開始されたら、もう考え…

湿原空間

エッジをぼやけさせると、そこに空気が発生してしまう。あるいは「雨」が降ってしまう。空気があれば、そこに流動が生じ、ある密度が生じる。視界と物との間に何事かが生成するための場をつくった事になる。自分は結局、そこに空気があるような状態を作りた…

これほど強い雨は久しぶり

先週の金曜日(24日)は一日中雨だった。非常に強い雨で、朝家を出てから駅に着くまでの間に、靴もズボンも完全に濡れてしまい、その日は一日中足元が冷たく湿った状態で過ごさなければならなかった。で、そのことをここに文章で書こうとしたのだが、上手く書…

今日の土曜日

朝起きて、テレビをつけたらCSで小津の「宗方姉妹」がやっていて、最後まで観てしまった。この映画における田中絹代のほっそりとして凛としたうつくしさには、ほんとうに感動する。山村聡の深いニヒリズムもすごい。あるふたつの世代の違いというか、根本的…

田山幸憲の「パチプロ日記」再読

はじめて「ヤフオク」を使ってみて、落札した。とはいっても、セリ勝って僕が見事落札、という訳ではなく、これだけ入札したら即決だよ、という金額が設定されていたので、そのようにしたのです。何を買ったかというと、田山幸憲の「パチプロ日記」5冊セット…

ゲーム

たとえばここに文章を書くという事が、自分にとってはある種のゲームなのかもしれない。それはとてもシンプルなルールのゲームで、ルールはひとつだけで、それは「やめてはいけない」という事である。 つまり「やめる」事さえなければ、何をしても良い。いっ…

「蛇の道」

CS放送されたのを観る。おそらく5年ぶりくらいの再見。思ったよりも結構忘れていて、ほとんどはじめて観たのと同じくらいの感じで観た。 …なにも身に覚えがないのにいきなり監禁されたとしたら、自分は酷い目に遭う理由などまったく無いからおそらく人違いで…

レシピの有無

洗って水をきった生牡蠣に塩胡椒をふりかけてハーブミックスのパウダーをまぶして、フライパンを熱してバターを溶かして刻んだガーリックを炒めて、色が変わり香りが立ちこめて来たところにさっきの牡蠣を順々に並べていってしばらく炒め、火が通り全体の色…

「ピカソ展」を観る

乃木坂の新美術館〜サントリー美術館を回って、今回の展覧会では特に新美術館に出品されてる方に立体作品が大変多く、これらがどれも大変素晴らしいものであった。 たとえば超有名な、自転車のサドルとハンドル部分を組み合わせた「牛の頭部」の作品があるが…

貸レコード

僕の実家は、とある国道沿いの田舎ですが、僕が中学の頃なのでおそらく1985年前後に、駅前に貸レコード屋というものができて、そのことで当時はものすごく感動した。店内にLPが大量に並んでいて、どれでも300円とかで借りて良い、っていう話なのだから、これ…

公衆として

公衆トイレで大便をするときの気分について考えていたのだったが、なぜあのとき、あの瞬間だけは、何とも不安な、恐怖感に苛まれるかのような、無防備で頼りない気持ちになるのだろう?と思って、そのことを色々考えていて、とりあえずその理由として思いつ…

読書

小説は面白い、小説をもっと読みたい、という気分が高まっているので、なるべく小説を読む。これからしばらく意図的にそういう時間を増やして、短期間で小説を読む経験をなるべくたくさん重ねてしまいたい。…といったような考え方をするのが、昔からの僕の悪…

「Move Your Body: The Evolution of Chicago House」Marshall Jefferson

貧しさ。それは選択肢の無さであり、豊かさや奥行きを欠いた一本道の平板さである。ある行為に、そうではなかったいくつもの可能性が含まれていることを感じる、というとき、その行為自体を「豊か」と捉えるか「貧しい」と捉えるか、そこは常に微妙である。…

「世紀の発見」磯崎憲一郎

今発売中の「文藝(2008冬)」という雑誌に掲載されている小説。連休の最後の日を夕方から夜にかけて読む。これを読んだ事で、今日という日がもう、この小説にすべてささげてしまったような感じだ。今ぱらぱらと適当に読み返してみても、連続する強烈なイメー…

「Coast2coast」Ron Trent

秋の過ごしやすい気候が続く。たしかに雨も多いが、晴れると、光を受けた視界に入るすべてが大層うつくしく、また肌に触れる大気の感触も冷ややかに引き締まった好ましいもので、あぁ今、気持ちの良い季節の只中にいるのだなあと思う。もっと強く実感しない…

若者にように眠れ

最近は毎日大体、5時間〜5時間半くらい眠るような感じで、それ以下の睡眠だと翌日の日中が微妙にしんどいし、それ以上の睡眠時間を確保するには生活をもっと変えないといけない。なので、そういう睡眠時間のサイクルを繰り返している。でも先日はたまたま少…

「エル・スール」

これまでビクトル・エリセ作品は「ミツバチのささやき」と10ミニッツ・オールダーを観ただけで、あまり観たことがない。エル・スール」が今回上映されるということでついに観られると思って喜んで出かけたが、映画がはじまってしばらくは、そうか、こういう…

「こうのとり、たちずさんで」

結構、興奮した。率直に言って大変カッコイイ映画で、またすぐにでも再見したいくらいだ。いや、そう言ってしまう事を躊躇したくなるところもあり、そういう言葉の狭い視野の自分勝手さを感じたりもするのだが、しかし、訳知り顔でしかめ面の言葉を書けば良…

週末は映画など

いろいろバタバタしており、このブログも3日ほど空けてしまったので今日は(とりいそぎ簡単に)書く。土曜日は日比谷シャンテでアンゲロプロスの「こうのとり、たちずさんで」を観る。で、そのままちょっとみてみたかったクラブイベントに行って、そこで若干く…

キリモミ

忙しいような、忙しくないような、よくわからないここ数日です。華奢なプロペラ機がきりもみ状態で飛行してる感じ。一応飛んでるけど、天地も方向もはっきりしてない。でも墜落の危険は今のところないと思う。そういう状況で、今日は昨日よりも少しがんばっ…

「小説、世界の奏でる音楽」を読み始める

保坂和志「小説、世界の奏でる音楽」…まだ最初の数十頁くらいしか読んでない。本書に限らず、保坂和志の文章を読み進めるのは思ったより時間がかかる。この「思ったよりも」というところがミソで、一見さらーっと読み進めてしまえそうな雰囲気なのに、まとも…