2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

麦芽の空

午前中は曇り空で、昼過ぎから晴天になり、晴れたまま雨が降って、止んだら日差しがさらに強く照りつける。 夕方に近づくにつれて、ますます真昼のような明るさへと進む。水色に白い入道雲の、子供の風景画みたいな空が窓の外いっぱいに広がるのを見ながら、…

庇護の空

読んでる本(シェルタリング・スカイ)を、この小説は、まあまあかな、と思うときもあるし、でもこれは、少なくとも今の自分にとって、一番しっくりくるな、と思うときもあるとして。 しかし、今の自分。と言うが、今の自分とは?自分が、今の自分というものを…

寛容

昔は、子供の頃は、60歳とか、そんな年齢の人物が偉くないとは、思ってなかった。いや、そうでもないか。でも、少なくとも、60歳は、子供ではないはずだった。それは比較的最近までそう思っていた。しかし最近は、自分がすでに45歳だし、もう60代も70代も自…

何のときだったのか思い出せないのだが、青くて、大きな色面を、今日の何かどこかで見たような気がするのだが、電車に乗ってたときだったのか、会社にいたときだったのか、それが空だったようにも、ブルーシートだったようにも、塗装された金属だったように…

ボウルズ

ボウルズ「優雅な獲物」の最初の2編「遠い挿話」「優雅な獲物」を読んだが、どちらもあまり面白いとは思えなかった。いや、たしかにこれは、ある種特異な、ちょっとほかには無いような強い作品だとは思うし、まるで残虐性が淡い夕日を浴びているような、得体…

引用

慟哭を禁じえなかった方も多いでしょう。秘すれば花、などと言いますが、タモリ氏が誠実で理知的で情感豊かであり、という日常の中ではそれが鞘に収められているのだ。という、が、たった一度だけ霊前で綻び、我々の誰もが、予想していたとはいえ、こんなに…

pokemon

今日はうちの会社は飲み会だったのだけれども、参加者が半分以上スマホを操作しているという悲惨な宴会であった。今日はもう、全人間が全員、ポケモンをやっているという恐ろしい日。僕もやってみて、けっこう頑張っていまレベル5だけれども、やっぱり僕なん…

昔は良かったね

そんなことないけれども、でも、それはもう昔のこと。それは間違いない。

ガリガリ君

いま、ガリガリ君(スイカ味)を食べた。ガリガリ君か…。僕もすっかり、そんなことになってしまって。…今年はやけに、ガリガリ君を食べている。こんなことは近年無かったことだ。それにしても、ガリガリ君はいまだに、当たりが出たら、もう一本、もらえるのか…

フェス

テレビをつけると、MTVでフジロック関連の特集番組を延々とやっていて、つい延々と見てしまう。あかん。夏はもうフェス、みたいな、ほとんど麻薬的な常習性を脳がおぼえつつある感じだ。フジロックなんて、あんなめんどくさいところに行く気はないのだけれど…

支払

たいていの事は本気出さないし、コミットしないし、面白がってもいないけれども、もし目の前にお店があって、そこに入るなら、そのお店は信じたい、というのはたぶん僕の中に、まだある。あの居酒屋あのレストランあれが食べたいこれが飲みたいは、前ほど思…

動物

図書館に行って、北千住でコーヒーのんで、千駄木で買い物して、それから上野動物園に行く。目的はハシビロコウを見る。先週、妻がハシビロコウを知らないというので、ハシビロコウを知らない人間なんていまどき存在しないでしょうと言ったら、でも本当に知…

To-y

吉祥寺で今やってる、上條淳士の展覧会に行きたいかも…。当時中学生の自分にとって、To-yは、強烈であった。twitterに載ってる画像を見てたら、to-yとニヤが最後の別れの場面が載っていて、カモメがふわーっと飛ぶシーン。こんなの見たのは三十年ぶりで、う…

イーガン

今週から、グレッグ・イーガンの「プランク・ダイヴ」を読み始めている。はじめてのイーガン体験となります。しかし、登場人物がみんな金持ちなので、良くない結末になることを、つい期待してしまう卑小な貧乏人の読者である。

ボナール(1988)

東京都美術館「ポンピドゥー・センター傑作展」に展示されていたボナールの「浴槽の裸婦」を観ているうちに、自分が十七歳になってしまって、その目でそれを観ているような妄想の中にしばらく浸った。 はじめに褐色系の地味な色を置いて、その上の、光の当た…

砂丘

今週はもう、冷房なしではとてもやってられないというか、これはもはや、来るべきものが恐れる間もなく来てしまったというか、このあとしばらく何か月も、こんなピーーーっとした天候が続くのか。でも、まあいいや。どっちでもいいです。半開きの口で、背中…

ロードバランス

昨日は人づきあいで、しょうもない食べ放題のくだらないコースに付き合った。そして懲りた。もう二度と、金輪際、満腹にはならないようにしようと思った。腹いっぱいの不快さを、心ゆくまで味わったと言ってよい。水も飲みたくないくらい満腹というのは、気…

局地的に大雨

横浜は午後五時半頃から雲行きが一気に怪しくなって、花火大会かと思うくらいドカンドカンと盛大に雷の音が響き始めた。しばらくすると、ざーっと重低音が深く響き始めて、それは雨の音だった。ブラインドを空けたら、信じられない程の雨量が窓ガラスに叩き…

モツ

檀一雄「檀流クッキング」が本棚にあったので、これいつ買ったんだっけ?と妻に聞くと、いつか忘れたけど前からあったみたい、と言う。モツ料理の箇所を読んだら、猛烈にモツが食べたくなって困る。モツと言えば戦後すぐの闇市の頃から安酒屋の定番的ツマミ…

コラソン寄港

ポール・ボウルズの短編集「遠い木霊」収録の「コラソン寄港」がとても良かった。以下、物語を大雑把に書くと、新婚旅行で船旅を続ける夫婦が、お互いに相当イラついていて、なぜなら乗船する船はどれも粗末で、巨大な船体の川面すれすれのデッキには積荷が…

金曜

満席、満席で、一店ようやく空いてたみたい。だから、さっきまでいたね。そこに、誰かが。それがいいんだよね。誰かがいなくなって、僕らもあとで、やはりいなくなるっていう。その後で、また続くじゃない。待ち合わせもそうだし、駅の改札でも、ビルの吹き…