2024-01-01から1年間の記事一覧
お正月休みなので、ベルクソン「物質と記憶」と、カフカ「失踪者」と、ディック「ヴァリス」を並行して読む。面白いけど、どこにも辿り着かないし、何のもっともらしい言葉も出てこない。じつは半年前くらいから、ずっとそんな感じだ。でもそれでいい、その…
最終出勤日の朝、予想通り電車はがらがら。電車ががらがらであることが、なぜそれほど好ましいことのように感じてるのか、われながら謎だが、30日の朝の電車はきっとがら空きだろうなと、なぜか数日前から、そのことを心待ちにしていたりする。 会社に着いて…
会計時に「お世話になりました、良いお年を」とか言われてしまうと、もう年内はその店に行きにくいというか、挨拶済んだなら行くべきではないと思うのだが、なぜかわからないけどそういう店にかぎって、ついうっかり翌日も行ってしまいそうになり、別れの挨…
U-NEXTでハワード・ホークス「脱出」(1944年)を観る。ヴィシー政権下のフランス領マルティニーク島にて、船乗りのハンフリー・ボガードがレジスタンスの脱出を手助けするという話。原作はヘミングウェイだが、「カサブランカ」にもろ被りなプロットで、それ…
休みを使って、真冬の寒々しい木々に囲まれた、何の見どころも見物先もない、静かで寂しいホテルで一泊くらい過ごそうか、温泉にはいって夕食をとって、あとは部屋かラウンジで、止まったような時間を手持無沙汰にじーっと過ごしていようかと、ふいに思い立…
自分自身が、気づくたびごとにカレンダーの色々な位置に移動している、そうであることの不思議さ。今が12月26日だったり、8月15日だったり、3月30日だったり、11月だったりする、その唐突さと、実感のなさ。 やがて自分が12月30日に居合わせることになるのか…
90年代半ば頃に、高田馬場にあったネットカフェ。まだインターネットが大衆化したばかりの黎明期であるから、それ以降に普及するだろうネカフェ的な簡易宿泊休憩施設としての用途など、未だ微塵も持ち合わせていない、当時のそこは文字通りにインターネット…
メンバーが出撃して、任務を果たして、帰還する。さすがAさんだなとか、Bさんは弱味もあるけど今日はいい動きだなとか、Cさんは上手に相手と連携したなとか、ぼくはモニターを見ながら思いを巡らせる。 もちろん、じっさいに出撃するのは常に彼らで、ぼくは…
日差しが暖かいので、コートを脱いで丁度良かった。公園のベンチに座って、缶ビールの蓋を開ける。冬の光、遠くの空と建物と木々それぞれの、鋭く刺さるような輪郭線をぼんやり眺めている。 ビールでも飲むかと思って、コンビニで買った缶を持って、公園のベ…
いつも髪を切る店が、年内はいっぱいで予約できないとわかって、仕方なく新年早々を予約しておいたのだが、やはりこのまま年を越すわけにはいかないような状況に髪の長さがおよびつつあるので、急遽近所に予約可能な店を探す。探せばすぐに見つかるもので、…
U-NEXTで、マイケル・カーティス「カサブランカ」(1942年)を観る。ナチスドイツの傀儡、ヴィシー政権下のカサブランカにて、ハンフリー・ボガードが経営する酒場に、様々な人々がひしめき合っている。 ドイツ占領下のフランスを追われて、ここへたどりついた…
注文したもの以外にも、もし良かったらお味見でと、肝の煮たやつとか和え物とか小鉢でいろいろ、恐縮なほどつぎつぎと気前良く出してくれるので、いつもすみません、おかげ様で、これじゃあどうしても、呑み過ぎてしまいますねえ…と困ったような表情に笑みを…
子供の頃、お金持ちの家の子をうらやましいとは思わなかった。むしろお金持ちの家の子を、かわいそうな、あわれむべき対象にすら思っていた。彼らは誰もがおしなべて、でかくて薄暗くて古くて、湿っぽい歴史の澱の積み重なった、不気味な日本家屋のお屋敷に…
ゲームをやる子供と、ゲームを見てる子供がいる。子供は誰でもゲームをやりたいだろう。そうでもないのだろうか。子供の僕は、たぶんやりたかった気がする。でも上手ではなかった。上手な子供はいるのだ。たくさんいる。とてもかなわないのである。ただし、…
ボブ・ディランの詩集「The Lyrics 1961-1973」より「戦争を仕切る奴ら」の引用。訳者は佐藤良明 www.youtube.com 出てこい戦争を仕切る奴 銃砲つくるおまえのことだ 殺人飛行機つくるおまえだ 爆弾つくるおまえのことだ 壁の向こうに隠れるおまえだ 机の後…
ドアのノブとか、テーブルの端とかに、手や足をぶつけて、痛…と思うがすぐ忘れてしまい、あとで気づいたらその箇所が痣になっていたり、けっこうな擦り剥き傷になってたりすることがある。このようなとき、身体が自分に必ずしもきちんと警告信号を返してくれ…
iPhoneが壊れたのが土曜日だったのは不幸中の幸い。機種変更の手続きのため、最寄りの店を訪れる。 行くたびに思うが、携帯ショップの人は、いつもおそるおそる、少しすまなそうな、遠慮がちな口調で、機種変更という主目的に関連付く色々な提案を投げかけて…
iPhoneが壊れた。壊れてはじめてわかる、自分のスマホ依存。SNSとかへの依存というより、もっと生活に密着した箇所への依存だ。壊れてようやくわかる、これは深刻な事態だ。 外出するだけで心許ない。単純に、バスに乗れない、レンタル自転車にも乗れない、…
年末の金曜日の夜の居酒屋は最悪とわかっているけど、どうぞどうぞ席作りますからと言われてしまったので入店する。ホール係はさほど忙しそうじゃないけど、たぶん厨房が鉄火場なのだ。料理の出てくるのに時間掛かってるのがここからでもわかる。はたしてこ…
背の高い大柄な男性が、ぼくを追い抜いて小走りで駅へと急ぐ。毎朝ぼくは、その後ろ姿を見る。顔は見たことがない。その大柄な背中から、昔よくテレビで見かけた男性アナウンサーを思い出す。そのアナウンサーは、テレビに映ってる姿と、じっさいに見たとき…
食事は、人生の、大ごととして、きちんと考えないとダメなのだなと思う。大それたことを考えねばならないわけではなく、むしろ考えなくても、食事とはこういうものとはじめから決まってなければいけない。この年になっても、そこがあやふやだと、身体を壊し…
朝の寒さ、そして眠さ。眠いって、どうしてこれほどまでに「このまま生きていたくない」と思うくらい、立ち向かう気力を保つのが難しいのだろうか。 通勤電車で座席に座ると、ほとんど布団に入ったのと同じように、ぎゅっと身体を縮めて、そのまま眠りに落ち…
カフカ「失踪者」を読み返している。思えば、メタ的な視点に立たない、先が見えないまま進むというのは、厳密に言えば、メタ視点という発想自体がないし、見えないこともわかってない、見える見えないという考え方自体がない。いまここ、このことだけという…
高幡不動とか、葛飾水元とか、つくばとか、あのへんまで行って紅葉を見てくるのが例年恒例だったのだけど、今年は何となく行かないままになりそう。たぶん紅葉のピークは今日で、結局、出掛けなかったのだから、来週以降さらに寒さが増すのだから、ますます…
大掃除とか、年賀状とか、面倒くさいことを週末にやらねばならない、と思いつつ何もしない。ふだんの掃除さえろくにしない、やってる人を手伝いもしない。こんなことではいけない。きっと来週ははたらくだろう。忘れてたら言ってください。 住宅やマンション…
仕事が忙しくなってくるというのは、もちろん楽しくはないけど、これまでの何十年分のあいだ、ほとんど大した波乱もなかったけど、ほんの一、二度、一瞬だけバタバタした、昼も夜も消えて駆けずり回った過去の記憶が、ふいによみがえってくるというか、その…
夜の川の手通りを自転車でひた走る。風を受けているのに、寒さはさほどでもなく、薄手のコート一枚で丁度良い。今が十二月とは思えない。道は平坦で、自転車はすいすい進んで快適だ。 地元のほど近く、最近評判の、活気みなぎる下町中華料理店をはじめて訪れ…
夜も遅くなるとふだん横浜駅東口は比較的閑散としているのだが、最近できた巨大音楽専用アリーナでイベントが開催された夜だけは別で、退社時間が閉演時間にたまたま重なってしまうと、建物から吐き出されてきたすさまじい人数の若い女性らに前後左右をふさ…
地元に昔から、たぶん二十五年くらい前からあるのだが、おそらく個人経営ではなくファミレス的大箱の居酒屋で、一見まるで大した店ではなさそうな、やる気も感じられずただ惰性的に続いてるようにみえる店に、目当ての店二軒がいずれもNGだったので仕方なく…
仕事の都合上、今月から帰宅が遅くなるので、夕食は外で済ませてしまう日がどうしても多くなってくる。外で食べるのはかまわないのだけど、毎晩何時間もかけて飲み食いする時間もお金もないので、ささっと済ませる店を探すことになるけど、僕はなぜかいつの…