2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

風呂の蛇口が壊れて栓がきちんと締まらず、お湯が止まらなくなった。温泉かけ流し状態である。水が出ないのは困るが、止まらないのも同じくらい困る。仕方がないので、外の元栓を締めたら止まった。 これだともちろん、家のなかの全ての水供給が止まったまま…

整形外科で診察とリハビリ。順調に快復している、とのこと。同じ薬が、さらに二週間分処方され、経過観察となる。 久々の店で、イタリア野菜惣菜盛り合わせ、芽キャベツのローストに牡蠣ソース、茹でジャガイモにホタルイカソース、そして生桜海老のパスタ。…

DVDで豊田四郎「駅前旅館」(1958年)を観る。かつては上野にも、おそらくはその他の都内の多くの都市にも地方にも、今とは比較にならないほど多くの旅館があり、番頭が駅前や店先で客の呼び込みをし、周辺の同業者や商人や、怪しげなチンピラまがいの客引きら…

グリフィス「東への道」のクライマックスの流氷場面。氷に伏せている、哀れで美しいリリアン・ギッシュ、冷たい氷の上に身体を横たえて、髪や腕が水に浸かっていて、おそらくその体温も気力も、冷たい川へみるみるうちに吸い取られているのではないか。瀕死…

僕はもちろんカラオケは好きではなくて、なぜかと言うと歌うことが楽しくない、自分に自分の歌う声が聴こえてくるのを、楽しむことができない、だから自分自身はまったく歌わないし、お前も歌えと言われて一々拒否するのも面倒くさいし、カラオケ店内は狭く…

自分の運転する車が、たくさんの車と一緒に、コース上を走っている。 長いストレートコースを、かなりの高速で走っているのだが、他車もほぼ同じ速度で走っているので、お互いの位置関係はかすかにしか変動しない。まるで全車が静止しているような、凪いだ海…

毎朝、髭を剃るときに、首と肩の痛みに耐えねばならない。なぜ髭剃りすると痛むのか不思議に思ったのだけど、鏡の前で顎下を見るため上を向くときに痛むのだ。これまで無意識にやってきた動きなので、痛む理由がわからなかったのだけど、頭を後ろに反らすか…

予約していた時間に美容院へ向かう。神経痛を患った件を話したら、去年同じ症状を経験したと美容師のTさんが言う。そうなの、Tさんも背が高いからね、と言うと、はい私、姿勢悪いんです…と返され、いや、そうは言ってないが、まあ、たしかに僕も猫背で、姿勢…

自宅から徒歩数分のところにある整形外科を訪れる。数年前に開業したらしい、まだ新しい建物の入口をのぞくと、朝九時だというのに待合室には座る隙間もないほどたくさんの人が。受付のスタッフらは忙しさで殺気立った雰囲気である。前の通りは歩行者もまば…

起きたら首回りに激痛、上体を起こすのにしばらく難儀する。起きてしまえば首回りの痛みは液体のように上腕部へ移る。ただ昨日までの、肩から二の腕にあったはずの痛みが、その裏側へ回って、今は肘の少し上あたりに痛みの中心がある。患部が安定しないので…

未明より、首および肩から二の腕にかけて、痺れと痛みが広がり、ああこれは五十肩だと思う。いやだな、九年前にも同じ症状が出て、あのときは数か月くらい、そこそこ不自由な思いをしたのだった。とくに診療も受けず、自然治癒まで我慢したというか、我慢で…

RCサクセションの「the TEARS OF a CLOWN」が発売されたのは1986年10月。当時は中学生だった。通っていた塾の向かいにあった貸しレコード屋でそのジャケット(当時はLP)を見て衝撃を受け(ぼくは当時まだ「Cheap Thrills」というアルバムの存在を知らない。「B…

DVDで川島雄三「貸間あり」(1959年)を観る。とにかく、すべての人物はじたばたと大騒ぎし、右往左往し、すべての鳴り物は音を立てる。あらゆる要素を詰め込めるだけ詰め込んで、電源を切らないかぎりいつまでも鳴り響き続ける自動楽器のような映画だった。こ…

古沢憲吾「ニッポン無責任時代」(1962年)を観る。観始めてすぐ、相当昔だけど、前にも観たなと思った。「3-4×10月」もそうだったが、自分の頭の中ですでに粉々になっている破片のような記憶で、もはやそれ単体で想起されることはないが、こうして再見すれば…

U-NEXTでグレタ・ガーウィグ「バービー」(2023年)を観る。面白かった。思った以上に生真面目で優等生的で、いかにも昨今のハリウッド的でもあるし、後半の、男性/女性の対立構図は、あまりにも鮮明過ぎるわけだが、とはいえ「目覚めてしまって」からの(馬!)…

DVDで森田芳光「家族ゲーム」(1983年)を観る。きわめて演劇的に図式的に、虚構性を隠さない視点をもって、当時の世間一般に流通する家庭のイメージを示し、そこに異物的な家庭教師を放り込んで、生じる出来事を作品とする。その方法が見事に上手くハマったと…

Blu-rayで北野武「3-4×10月」(1990年)を観る。じつは、はじめて観たと思ったが、たぶんそんなことない。ところどころ記憶に残存している。ずいぶん昔だろうけど一度観ているようだ。 カタギの世界を生きるとは、暇を持て余して部室にたむろする高校生のよう…

人身事故で、走行中の電車が突然一時運転見合わせとか、徐行運転になるとかで、帰宅通勤の途中、もう夜遅くだというのに、到着時間が大幅に遅れることはたまにある。 そうなったとき、電車の乗客のうち誰かは、予期せぬ事態に苛立ち、焦り、ため息をつき、ず…

良い作品になりつつあるという感触を強く感じながら制作している、そんな夢を見ていた。 切り刻まれ、折り重ねられた紙片が、所々剥離しながらも、支持体の上に貼りつきインパクトのあるテクスチャーで迫ってくる。非常に好ましい混沌の度合い、未整理ながら…

青山拓央のNote(https://note.com/aoymtko/n/n0a0018098591)「死者の時間と他者の時間」を読み、ある小説を読み終えて感無量…みたいな気持になる。結末にたどりつくまでの流れが、うつくしいのだと思う。 同時に、死がいつか無へ移行することの厳粛をも思う…

荒木経惟が撮影した上野駅前の写真。不忍口を出てすぐの上野松竹デパートだが、見ると思わず目をむくというか、ぎょっとさせられる。かの有名な東京の上野駅前であるとは信じがたい景観であり、しかし同時に、あ、なつかしい、昔はたしかにこうだったわ、と…

U-NEXTで、ジャック・ドワイヨン「少年とピストル」(1990年)を観る。きびきびとした話の運び方が素晴らしい。説明なしに、出来事だけでぐいぐいと進んでいく。主人公の不良少年がいて、ふだんから少年を気にかけている…というか素行を監視してる刑事がいる。…

DVDで北野武「ソナチネ」(1993年)を観る。じつは(ちゃんと通しては)、はじめて観た…。 北野武がよくわかっているのは、撮りたい映画の題材として、自分自身がもっともそれに適ったイメージであるということだ。自分がうつむいたままで何らかのセリフを呟くだ…

DVDで北野武「その男、凶暴につき」(1989年)を観る。じつは、はじめて観たのだが、これが監督第一作目で、もうすでに「北野映画」は完成の域にまで達していたのだな…。 ビートたけし演じる主人公の刑事は寡黙で、挨拶されても相手の顔もろくに見ない。シャイ…

正月に実家の自室にあった98年から99年くらいのミュージックマガジンの何冊かを適当に持ち帰ってきたので、それをたまにぱらぱらとめくって読んだりもするのだけど、どのページもよくおぼえてるなあ、当時はなんと真面目に読んでたのだろうかと、我ながら呆…

無着成恭 編「山びこ学校」の最初の方にある、本書中おそらくもっと名高い江口江一の文章「母の死とその後」は、これはたしかにすごくて、それは書かれている内容がというよりも、それをこのように文章としてあらわしたことが、彼にとっての形式の獲得であり…

とつぜん、得体のしれない道具を手渡される。何に使うのか、何が出来るか、まったくわからない。とりあえず触ってみる。可動部分を動かしてみたり、凸部を押してみたりする。すると何らかの状態変化が起こり、それを繰り返しているうちに、何に使えるものか…

いちばん良く利用するコンビニでは、自分が商品を何ももたずにレジに近づくと、店員が自動的にホットコーヒー(R)の紙コップを持って待ってるようになった。だからもし何か別の商品を買いたいならば、あらかじめ手に商品を持ってることがはっきり見える状態で…

Amazon Primeで川島雄三「喜劇 とんかつ一代」(1963年)を観る。冒頭から、あれは上野の不忍の池、そして弁天堂ではないか。そして仲町通り、池之端、湯島天神、上野精養軒ではないか。ついロケ撮影された当時の上野の景色にばかり目が行ってしまう。 本作の…

Amazon Primeで川島雄三「青べか物語」(1962年)を観る。60年代初頭、空撮で東京湾上空をカメラが見下ろしつつ移動し、そして江戸川を見やりながら千葉県方面へ。埋立工事の進む海の景色、やがて遠景まで際限なく広がる田園と、細く長く伸びる河面におびただ…