2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧
今日は金曜日、明日は休みで嬉しい…と、金曜日になると、なぜ思わないのだろうか。今日は月曜日ですね、まだ火曜日ですね、今日ってまだ水曜日ですね一週間長くないですか??などとランチで毎日のように口にする人にうんうんと頷いているけれども、その相手…
自宅から持参されるお弁当は、よほどのこだわりをもって準備されるものをのぞけば、大抵の場合前日の夕食からの残り物を活用して作られることが多いだろうし、うちもそんなやり方で妻が毎朝用意してくれて、それはもちろん大変ありがたいし、加えてつくづく…
昨日入院して今日退院予定の妻を迎えに病院まで行く。術後の安静時間を、眠るわけでもなく、感情が減衰しているかのように、ただ黙って天井を見ている妻の顔を時折確認しつつ、何冊か持参した本をベッド脇に座って読む。一時間に一度くらい、看護師の人が点…
ここは、かつて木挽町という地名だった。銀座と木挽町は、三十間堀川という一本の川によって隔てられた二つの町で、戦後すぐに川が埋め立てられ一続きの地面になったので、町の名前も変わってここらあたり一帯を東銀座と呼ぶことになった。それまでの木挽町…
この長い物語は最後、主人公のフェルディナンが物語の序盤で偶然出会い、そのままいつまでも縁が切れぬままとなったロバンソンの死によって幕が閉じられることになる。そこで見出されたのは、死んでいくこと、今、目の前で命が尽きようとしている瞬間の崇高…
ものすごく久しぶりに、エドワード・ヤン「カップルズ」を観る。そうそう、こういう話だったと一々細かく思い出した。いくつもの出来事が他の出来事と連鎖して、あれよあれよという間にすべてが雪崩落ちるかのように展開する。レッドフィッシュを追うヤクザ…
アテネフランセ文化センターで「アテネ・フランセシネマテーク 映画の授業」より「インディア・ソング」と「ヴェネツィア時代の彼女の名前」を観る。デュラス監督作品を観るのは初だ。千代田線で新御茶ノ水駅に向かう途中、千葉県の地震のため途中駅で運転が…
空いてないだろなあと思って電話したら空いてたので、夜は一人でお鮨やへ。今日こそ、おこのみで注文したかったのに、金曜夜らしい繁忙な雰囲気に気圧されて、つい日和っておまかせにしてしまった…まあ、しかたがない、本日のカウンターはどの客もベテラン感…
隣駅の地下の魚売場が規模縮小して、ほんとうにつまらなくなった。あんなだったら、わざわざ寄り道する意味ない。きっとそれまで集まってた魚屋さんが、何軒かに減ったのね。品揃え少ないし高いし、いつ行ってもつまらない。つまらないと言えばたくさん並ん…
仕事帰りの妻が、最寄り駅から数分のところにある美容院に寄る。予約した時間に訪れると、いつも担当してくれる子が一人きりで迎えてくれた。店内はがらんとしていて、今日はほんとうならもう一人スタッフいるはずなんですけど、風邪でダウンしたので、今日…
Mさんが引用してくださった自分の文を久しぶりに読んで、ああ、昔の自分っぽい…と思う。自分で自分の文章を冷静に突き放した視線で読んでみるといつも思うのは、何だかガタガタとしていて乗り心地の悪い、如何にもな自分の気配に自ら近付くようで落ち着かな…
最近ぼやっと感じていること。なんとなく、木炭で絵が描きたい、風景を描きたい。パステルでもいいのかもしれないが、木炭がよりのぞましい気がする。粗い表面の紙に、あの肌理の細かい墨の粒子を繊細に置いて捺し広げて、つよく擦ったり拭き取ったりしなが…
クリストファー・ノーラン「インターステラー」(Amazonプライム・ビデオ)を観る。…ところで「ゼロ・グラビティ」の監督って、クリストファー・ノーランではなくてアルフォンソ・キュアロンであるとは、知ってたはずだけど忘れていた、というか、いつの間にか…
森の中を歩いていて、「うぐいすが鳴いてる」と言われて、それで頭の中にRCサクセションの「うぐいす」が再生されてしばらく止まらなくなる。「うぐいす」の詩ではとくに何が云われているわけでもなくて言葉の連なりの気持ちよさと春の陽だまりのような快適…
男二人で呑み会。この人とは、たしか連休前日と初日、あと先月も会って呑んでるはず。多すぎる。しかし、なぜかやたらと誘いが来る。同一の人間と、用もないのに二度も三度も会ってメシを食うというのは、いったい何事か。仕事でもなければ恋愛や親睦交歓で…
16日(木)分を17日(金)付けの出来事としてアップしてしまったようだ。そのかわり、5/17のことを16日付けで書いてしまおう。明日の夜飲んだ酒が、前日の朝になっても少し残り気味でくたびれている、午後からどうにか持ち直す。責任感の強い人や気配りの凄い人…
駅まで徒歩15分くらい掛かる。ここに引っ越してから13年くらい毎朝歩いている。今朝も家を出て歩道を歩き始めたら、前を小走りで急ぐリュックを背負った男の後姿があり、斜め前に信号待ちで停車中の白いワンボックス車の排気音が聞こえる。そのとき、僕が見…
大昔は、川のほとりの集落だった。農業従事者がほとんどだった。やがて工場が誘致されて、小さな住宅が立ち並んで、労働者が集まって暮らしをはじめて、道路が舗装・整備され、商店が増え、学校や公共施設ができ、鉄道が敷かれ、車道が増え、高速道路施設の…
文学界2019年6月号「昭和最後の日、あなたは何をしていましたか?」という企画記事のなかの、蓮實重彦のエッセイ、本当の話かな?とも思うが、本当でも嘘でも、どちらにせよ面白かった。数年前に乗ったタクシーの運転手にこう言われたのだと言う。 お客さま…
クリストファー・ノーラン「ダンケルク」(Amazonプライム・ビデオ)、とても不思議な感触の戦争映画だった。作り手の作家性というか一貫性を感じもするが、何よりもIMAXの映像体験の醍醐味を最大限引き出すための作品として仕上げられているのだろう。 たとえ…
久しぶりに千住新橋を歩いて渡った。天気も良かったので余計に、橋から見下ろしたときの野球場グラウンドの芝生とトンボできれいにならされた土の色がおそろしく鮮やかだった。この橋の柵はとても低いように自分には感じられて、高所が嫌いな自分にとっては…
前方を、おそらく70歳前後くらいではないかと思われる老夫婦が歩いていた。老人と言っても二人共歩き方もしっかりしていて、年老いた雰囲気はあまり感じられないけど、それでも中年とか壮年ではなくたしかに老人で、並んでゆっくり歩いている。そして、白い…
日々、仕事してるのが普通、みたいな感覚にようやく戻ってきたかもしれない。昨日あたりまではまだ正直、仕事してる自分と先週までの自分との乖離感というかギャップ感がどこかにあってスムーズに演技できてない感じだったのだけれども、さすがに今日あたり…
ビルを輪切りにした断面の図面が、スクリーンに大きく映し出されて、内側には小さな座席がびっしりと配置されていて、右上やその下には別の用途で利用するスペースがパーテーションで区切られていて、樹木の内部を水や養分が行き来するための太いのから細い…
セリーヌ「夜の果てへの旅」を、いつ読み始めていつ読み終わるのかわからないほどゆっくりダラダラと読んでいる。おそらく、百年前に撮影された歴史的な映像を次々に観ているような感じで読んでいる。主人公が、物語の最初からずっと一貫した態度で、粗野で…
先週は金沢動物園に行って、昨日は井の頭動物園に行った。休日に動物園に行くこと、これは近代人、ことに二十世紀以降を生きる者たちの基本行動である。但し今では動物園もすっかり枯れた施設に成り果てたが、昔はそうじゃなかったらしい。動物を見に行って…
アップリンク吉祥寺で「ビル・エヴァンス タイム・リメンバード」を観る。関係者のインタビューや当時の映像などで構成されたドキュメンタリー作品。さほど面白いわけでもないだろうと予想していて、大体そのとおりだったけど、それでも幾つかの点は驚きと気…
時間そのものが莫大な量あるのに、あれよあれよという間に流れ去る。ふだんは化合する物質が今日だけは何とも結びつかずただ空気にさらされているかのように。一日がまだ始まったばかりの午前中、時間という物体の存在感に気圧される。連続で十日も休日が続…
もう金曜日か!わりと早起きして品川から京急線で金沢文庫駅まで。ここから軽い登山というかハイキングコースみたいなのが設定されているので、それにしたがって有酸素運動的に、ひたすら歩く。金沢公園の先の金沢動物園でやる気のない…というかまるで微動だ…
とくに目的もなく出かける。根津で降りて、上野高校を迂回して上野公園を通り抜けて広小路方面まで歩く。上野ツタヤが来週ついに閉店だと知る。ならばこの店に来るのもおそらく今日で最後か。既にガランと寂しい空の棚のむき出しになった薄暗い店内を一瞥す…