2008-01-01から1年間の記事一覧

病気

病院というのは、「病気」の「私」を治してくれる場所ではなくて、「私」の「病気」を治す、その試みを実施してくれる場所である。病院にとって「病気」というのは、たくさんの「私」から切り離されて独立した、取り組むべきインシデントの対象である。それ…

栗きんとん

台所に居た妻が突然、只ならぬ様子で僕の居る部屋に入ってきた。切迫した様子の表情で両手を上下にばたばたさせながら、ぴょんぴょんと小刻みに足踏みしているので、いったい何事かと思って問いただすと、作っていた栗きんとんが、すごい上手くできちゃった…

御茶ノ水で何も買わずに帰る(CDを除く)

御茶ノ水まで行って、レコード屋をちょっと見たり、神保町の古本屋を何軒か見たりする。本はもう、家に未読が死ぬほどいっぱいあるから、当分はあらたに買わなくて良い、というか、買うべきではなくて、その状況がここ数ヶ月の間ずっと続いている状態なのに…

炭のせろ

制作。この辺もっといっぱい炭(スミ)のせてかないとだめ、とか、無意識に感じて、あわてて筆記具を持ち替えて、また気持ちを空っぽにして、その一帯にがーっとアプローチする。その間はほとんど目つぶっているのに近い。こうやれば結果的にはそんなに外れて…

寒さがいよいよ本格的

寒さがいよいよ本格的になってきた感じだ。冷気が体の表面から容赦なく熱を奪う。首元や脇の下やみぞおちのあたりや足元とかに、なすすべもなく熱を奪わてしまう事の頼りない情けなさがまといつく。呼吸すら、それをするたびごとに、得るものより失うものの…

track

ある曲を聴いてるときに、別の曲のことを考えている。いくつかの曲を聴いたあとで、最初に聴いた曲をようやく聴き終えた気になる。まだ聴いていない曲を、その他の曲を聴くことで代替する。異なるディスクに収められた同曲それぞれをどちらも聴き、さらにそ…

ドライビングポジション調整

一昨日、制作している部屋の掃除を大々的に行った。で、一部配置等も変えた。今までの椅子に座ってイーゼルに立てた画面に描く、というスタイルから、床に直接あぐらをかいて座って、目の前の画面に描く、というスタイルに変えた。制作中はもちろん、今まで…

腫れ

今日はかなり忙しかった。さっきまで仕事してて、ようやく静寂が訪れた。身体の調子も悪い。気分もすぐれない。両方の耳の感じがおかしい。色々とヘビーである。明日は休みだが何をしようか、とりあえず今は何も思い浮かばない。寝ればよいのだが、なんとな…

断絶

文章を書くという事にはやはり意味があるし、どこかの誰かに、あるいは未来の自分に、何かしら働きかけるものがあるのではないか。で、それが何だというの?それが幸福なのか?と言ったら、それはわからないのだが、でも、もし何かの働きかけが生じたとした…

制作(編集/化粧)

映画というのは、(非現実的な理想として)編集作業なしで完成できるのであれば、それが一番最高の「純粋映画」なのだろうか?でも編集が介入するのは、やっぱり仕方が無い「必要悪」で、でもそれがあるからこそ映画なのだ、みたいな、そういう話もあるのだろ…

体験(Open/Close)

体験とは、意識が対象に対してOpenしている状態で、それは自分の意志で制御する事のできない状態である。それは要するに、ハングしている状態ともいえる。それはある意味最高の状態なのだが、ほとんど死に体である。Openは脳内演算処理速度の限度一杯まで使…

蕎麦

蕎麦屋へ入り、温かい蕎麦を注文する。やがて運ばれてきた、せともののうつわを持上げ、たちのぼる湯気を顔で受けつつ、箸ですくって、一口、二口とすする。 驚いたのが、予想を遥かに超えた、濃厚なつゆの味だ。口の中全体に、鰹出汁の香りが強烈に広がる。…

We Almost Lost Detroit

昔の「巨匠」も、「文豪」も、きっと酒はのんだだろう。のんで何を思っただろうか。。 酒を呑むと、身体が温まるし、陽気な気持ちになれるし、世界が自分を祝福してくれる…とまでは言わないものの、肯定的な態度で放置しておいてくれる気がするし、自分自身…

プロセスのプロミス

最近の自分の制作においては、進行する時間のある箇所に、何か微妙に区切りみたいなものがあって、今はそれを自分の中で「前半」「後半」にわけて考えている、のかもしれない。 「前半」を、5か6くらいやって、その結果をみて、駄目ならもう2か3くらい足して…

MOODYMANN “DET.RIOT 1967”LIQUIDROOM

MOODYMANNことKenny Dixon JrのDJを初めて観る。以前インターネットで、どこかのパーティーの動画映像を見た時、DJブース上にいるKenny Dixon Jr本人のあまりにもフザケタ感じでヘラヘラ笑ってるだけの、まるでクスリでもキメてるみたいなある意味完全にヤバ…

官僚

なにやら得体の知れぬ、埃まみれで薄汚れたような、羽毛だかウロコだか肉だか筋だかわからぬ、妙ちきりんな生き物の屍骸が道端に落ちている。だから、今からそれを食べようと思う。 まずは問題のブレイクダウンから。得体の知れぬ塊りとしか思えないものでも…

よォーこそ

Ryota Sakanaka:none; へようこそ。じゃあどうぞ最後まで、みなさんごゆっくり。聴かせたいうたが、たくさんあるのさ。さあ、どうぞ、ゆっくりしてらっしゃい。でも、あいにくですが、今日は特におはなしはありません。わるいけどまたあした、寄ってみて下さ…

今日の日記は読みやすくしました

書く事がないけど、何か書かないとなあと思っているとき、ふと赤塚不二夫のことを思い出してしまう。小学生の頃、天才バカボンを読んでいて、あの有名な「今週は読みやすい漫画にしました」とか言って、コマワリのほとんどが"ナシ"と書かれていて、ほんの少…

recommend

最近異常にレコードショップのウェブサイトとヤフオクばっか見ている。いくらなんでも見すぎであり、買いすぎである。でもいいじゃないか。今はただひたすらそれでよい。聴き続けてると、別に自分の中ににジャンルの好みとかがある訳ではないのがわかる。ま…

学習

お客様の立場になって考え、あたうかぎり最善の策をご提案する。少しでもよろこんで頂けるための努力を、日々惜しまない。社内では影で人を支え、縁の下で力瘤を硬くし続けるような立場を自ら進んで受け持つよう努め、常に効率的で無駄なく何かが何かの役に…

「インランド・エンパイア」

DVDで約一年ぶりに「インランド・エンパイア」を観る。初見時は映画館で観たのだが、この映画が何しろ実に気持ちの悪い、正視している事が耐えられないほど気持ちの悪いものであったため、なさけない話であるが、当時の自分としてはもう、そのまま冷静にスク…

高架下から土手に上り川沿いへと下る

上空には、高架に支えられた高速道路が、巨大な円弧を描きつつ、はるか彼方まで延びているので、日差しが遮られてあたりは薄暗く、埃と排気ガスと光化学スモッグが混ざり合ったような薄暗い灰色に何もかも染まっているようで、やがて横断歩道に差し掛かった…

戦死ヤアハレ

新たに導入したユーティリティが始めからまともに稼動していない時点で、今日はこれから無茶苦茶大変な事になりそうだと予感された。心の内側に隅々まで満遍なく、深く濃い不安の煙が充満していくのがわかった。これからあとの残作業が全部できないか、やっ…

購入

購入して、商品を手にしたときの、ある種の味気なさというか、こんな筈ではなかった、という感覚は、何かを購入した経験さえあれば、誰でもおぼえがあるのではないだろうか?ここで言いたいのは、商品自体への不満、誤解や想像とのギャップから来る失望感、…

ライデン瓶の中

「可愛い」とは行き場もないまま制御不可能なまま一方的に送信される慈愛の思いみたいなものだろうか。犬や猫を可愛いと思うのは何故か?犬や猫は、人間がどれだけ愛しても、同じように愛情を返してくれる訳ではない。というか、犬や猫は、「私が愛されてい…

フレーム

昔、ベンジャミン・フランクリンが凧を上げてライデン瓶の中に電気を閉じこめる事に成功したみたいに、あと何十年か、何百年かしたら、どこかの誰か、発明家が、今の常識や現実の認識ではおおよそ想像もつかないような、驚くべき何かを、瓶の中に閉じ込めて…

Week End Shuffle Master Peace

最近ウィークエンドというのが、どうにも、ここに何がしかの文章を書こうという気になれない。その気になれない、というか、それをするための時間を確保するのが、何かやる気にならないという感じである。やっぱり、普段フルタイムで働いていると、平日と週…

キュビア

夜から少しずつ呑みはじめて、いくら呑んでもまったく酔わない酒をひたすら呑んだ。酔わないどころか、体温を一度たりとも上昇させないような、ほとんど水物のような酒だと思った。最近の日本酒にはこういうのが多いのか。こちらの体調に起因するのか、よく…

「Tails Out」Otomo Yoshihide's New Jazz Quinted

asin:B0001CNRDO ポップミュージックやロックミュージックでは大抵、ビートが強調されているので、曲が展開されている間は常に「 ど! ぱん! ど! ぱん! 」という打撃音が連続して、それがグルーヴをかもし出すのであるが、しかし、たとえば、その音源を録…

今月はよく雨に降られる。朝も夜も小雨に濡れながら帰る。普段から傘を持たないか、あるいは傘を持っていても差すのが面倒くさいので、少しくらいなら濡れても構わないと思って歩いてしまうのだが、それにしても今月は実によく雨にあたる。雨にあたるとなぜ…