2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧
先週送別会した人の、今日が出勤最終日なので、僕は周囲から「明日からずいぶん寂しくなるんじゃない?」とか言われた(妻からも言われた!)のだが、まあ、そう思われるくらいには仲良しに見えたということだろうか。「だって、あんなに笑ってる坂中さん、は…
昼夜むしあつく、もう九月も終わりだというのに、こんなことでいいのかと思うが、空の雲だけはすっかり秋だ。 原節子の「美」は僕の中ではグレタ・ガルボを凌いでますね。彼女を撮ったどの監督も彼女の比類のない美しさを認めています。関係ないけど、僕は自…
ビートルズの"アビイ・ロード"が、最近リマスタリングされたらしい。"アビイ・ロード"をはじめて聴いたのは中学生のときだ。 悲しみは、"アビイ・ロード"である。音楽に、始めがあって終わりがあるということの、どうしようもなさ。 このアルバムがジャンル…
夏の余韻というか、秋のはじまりというか、なにしろテラス席が快適な夜だった。なによりだったと思いますよ。 東京の人はやっぱり冷たいかね?歩いていてちょっとつまずいたとき、あ!って思って、わ!はずかしい!と思って、ちょっとふりかえると、東京の人…
テレビって、音を消して見ているときの方が面白いと思う、喋ってることは、どうせくだらない、しょうもないじゃん。でも音を消せば、とりあえずキレイな男女や誰かが喋ってるわけだし、そういう映像を見てるだけなら、べつにいいじゃん。 さいきんのテレビっ…
セルジオ・レオーネの「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」で、主人公のデニーロがディナーの後でかつての恋人(?)に聖書の雅歌を読むシーンがある。引かれたのは第一章の後半。雅歌はこちらに口語訳がある。 https://ja.wikisource.org/wiki/%E9…
旅行先で酒や食事をするなら、現地の店に行って現地の人の話を聞いたりできれば良いとか、そういう場面の出てくる小説を読むと思うのだが、でもよく考えてみるとそんなこと実際にはあまり無いことで、現地の店にいきなり行ったからって、すぐに他客や店の人…
昨日の夕食はちょっと天ぷらして、蕎麦を食べて…というプランを立てたのだが、結局天ぷらをいくらも食べないうちに満腹してしまってあっという間に食事終了、残った具と蕎麦はそのまま今日の夕食まで持ち越しとなって、今日も天ぷら、そして蕎麦、ゴールまで…
youtubeに全編あがっていた「真夏の夜のジャズ」を観る。1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルの様子。みんな、お金持ちで、素敵な服装に身を包んで、ゆったり腰掛けて、ヨットの行く先をぼーっと見つめて、ステージの演者をぼけーっと観て、拍手し…
たとえば女性が出産するのに限界と云われる年齢があって、ある女性がその年齢を越える前に子供をもつという決断をしたとして、そのときはきっと結婚とか家庭よりも子供をもつことが最優先なんだろうけど、そう思う気持ちはわかるしそれでかまわないと思う。…
地元の店に行ったら、たまに会うJさんがいた。相当酔っていて、いつものように他愛のないどうでもいいしょううもない話をだらだらしながら二合くらい呑んで、Jさんがそのうち足元もおぼつかないくらいになってきて、ねえ、この後もう一軒行こうよ行こうよと…
内輪での送別会のために、六月に内輪での歓迎会をやったときと同じメンバーが集まった。 君が四月に、初めてこの現場に来たとき、僕がフロアを案内して契約だの規約書類だのを読んでもらって、この後もしよければランチを一緒にどう?と誘って、君も僕や他の…
梅崎春生「風宴」と「桜島」を読む。さまざまな日本の文学、ことに戦後~80年代くらいまでの小説に出てくる男性の主人公を、作者や作品が何であれ、いつも同一人物ではないかと思うことがある。出来事を見つめるときの態度とかまなざしとか表情とかの、自分…
七時を過ぎて会社を出ると、夜の闇はすっかり深くて、身を少し硬くしたくなるような涼しさがあって、この季節になるともはや暗さが暗いだけでなくて寂寞感だとか絶望感だとか不安感だとかが闇に深々と溶け込んでいるようで、歩いているだけで気が塞がり沈鬱…
RYOZAN PARK巣鴨の樫村晴香トークへ。話が始まって一分もしたらほとんど金縛りにあったのと変わらない、根源的で本来的な言葉がめまぐるしくつむがれていくのを聴いてるだけで、二時間半のトークだったが最初から許容量限界のレッドランプが点きっぱなしの状…
「パリで一緒に」(リチャード・クワイン)を観る。この映画撮影時のオードリー・ヘプバーンは33~4歳、ウィリアム・ホールデンは44~5歳らしい。恋愛コメディの体裁で、二人の掛け合い漫才じみたやり取りが楽しいということなのだろうけど、全体的にちょっと…
健康診断というのは、診断の時間よりも待ってる時間の方が長いものなので、その間は読書になるわけで、本日は橋本治「美男へのレッスン」を読んでいた。この本、埼玉の実家にあるんだけど、久々に読みたくなって電子で買ってしまった。しかし橋本治は膨大な…
一年に一日だけ禁酒する日があって、それが今日である。なぜなら明日が健康診断だからだ。会社を出て、軽くお蕎麦を食べて、プール行って泳いで、着替えて水を飲んで、それで帰宅した。シラフでいると、これで本当に今日という日が終わるのかがわからなくな…
この季節だからとくにそうなのだけれど、マティーニが美味しい。ベルモットとジンを氷に入れて適当に混ぜて作ったいいかげんなもので、そのまま他人に勧める気はないけれども、少なくとも自分だけはそれで美味しい。マティーニなんてバーで飲むから美味いん…
「それ、からあげ定食でしょ。」 「からあげより天ぷらの方が好きだな。」 「天ぷらってごはんのおかずになります?」 「僕、ごはん食べないし。」 「ああそうか。」 「私は天ぷらよりからあげがすきだな。」 「からあげと竜田揚げならどっちが好き?」 「迷…
橋本治的な恋愛モデルの構造を例示的に書くとこうではないか。(「恋愛論」と「花咲く乙女たちのキンピラゴボウ後編」を参考に) 未だに甘えることを許されている子供としての男性「彼」。親や実家に資産があるとか一方的に愛情を注ぎ込まれたとかそういうこと…
朝六時前に起きて、テレビの台風に関するニュースを見ると、昨日のJR発表に続くようにして、首都圏の各社鉄道もかなりの路線が運転見合わせになっていた。しかし我が住まいの足立区から横浜方面へのルートで、僕が使えるいくつかのパターンのうちの一つに一…
朝から真夏の青空と弾力を感じるほどの積乱雲、窓の外が膨大な光に満ちている。それでも台風が近付いており今日の天気が崩れることは間違いないから、早めに買い物してこようと午前中のうちに近所へ買出し。帰宅三十分後くらいに突如として空が暗くなり激し…
円山応挙展を観るために根津駅で下車。猛暑のなかを藝大美術館まで歩く。何となく混んでそうな予感がして、行列してたらすぐ諦めるつもりだったのだが、前方に見える校門前が尋常じゃない混雑ぶりで、うわーこりゃあかんと思いつつ近づいてみると、なんと今…
若さを失ったことは日々実感するのだが、死んだ父親がまだ若かったときの姿が、今の自分なのだ、ということも同時に考えている。自分を半ば、もし父が生きていたとしたらとの仮定にもとづいた行動をする存在に感じている。つまり自分が、死んだはずの父だと…
デパートの屋上のビアガーデンは蒸し風呂のような暑さと消えない残響音のような騒がしさに満ちている。 軽く酔って、若い子と喋って、少し大きな声で笑って、椅子の背もたれに背中をあずけて身体を肘でささえて、ビールのジョッキを持ち上げている自分がいる…
僕もだけど、字が下手な人は、書いたそれを、俺の字って下手だなあとつくづく思う。自分から出たものの不恰好に辟易している。字が下手な人にとって、自分の書いた字は自分の滓というか、自分から切り離されたもの、自分をこれっぽっちも表現してないものだ…
これを残暑と呼んで良いのかどうなのか知らないけど、朝から心身の気力を根こそぎ持っていかれる。 僕の苗字を音読すると「か」が何度も連続して、発音に心地よさがないというか、やたらカクカクとした印象を受けるのだが、結婚して妻の姓が僕の姓に変わった…
そもそも自画像って何だろうかと思った。画家はなぜ自画像を描くのか、よくよく考えてみると説明がむずかしい気がするのだが、もしかして、なんとなくそれは、日記やブログを書くことに案外近いのかもしれない・・・などと思ったりもした。画家はひたすら、自分…
練馬区立美術館にて坂本繁二郎展を観る。坂本繁二郎は1882年に生まれて、1969年に亡くなる。画業は約70年にもおよぶが、初期の1900年代の作品からすでに作品の質が完成形に近いというか、技術的に飛びぬけているだけでなく、最初から自身の仕事、目指すべき…