2021-01-01から1年間の記事一覧
ミレニアム・パレードと中村佳穂のテレビ出演はさすがに見ておきたいと思って、テレビは紅白歌合戦にしていた。もしかして、中村佳穂という人物に、ここに来てついにはじめて、緊張や固さやぎこちなさの様子を見ることができるだろうかという不安(期待)を抱…
今年もあと二日で、さすがに朝の電車は閑散としていたし、オフィスも人はまばら。しかし夜になって会社を出れば、駅構内や繁華街は大変賑わっていて、外からのぞくとどのお店も客でぎっしりだった。久々に行った店の、かろうじてカウンターの端に入れてもら…
さいきんまたコーヒーをわりと飲むようになったと思う。一日のうちのどこかで、大体夕方あたりで、のみたくなってくるとオフィス近くのコンビニの百円でカップを受け取ってセルフでいれるコーヒーを買ってのむ。のむだけ。スマホを見るとか窓の景色を見ると…
「流れよわが涙…」にも出てきたし、あと先月読んだピンチョン「競売ナンバー49の叫び」にも出てきたけれども、"切手"というアイテムに、これらアメリカの小説は、何を込めようとしているのか。それは単に謎の表象であり、読者を結末まで引っ張るためのわかり…
「流れよわが涙、と警官は言った」で、アリスが服用した薬物「KR-3」についての検死官の説明は、ちょっとわけがわからない、どうも核心部分が見えない、肝心な箇所に答えてくれずに、はぐらかされてるような印象を受ける。そのわからなさを、勝手な想像で埋…
P.K.ディック「流れよわが涙、と警官は言った」を読み終わった。(第四章「エピローグ」では、各登場人物たちのその後の顛末が短く紹介されるのだが、この年末の時期に読んだせいか、それらがまるで「今年亡くなった方々」のご紹介のようにも感じられてしまう…
乗代雄介「皆のあらばしり」(新潮 2021年10月号)を読んだ。これは「ネタバレ」してはいけない小説ではないか…と思うので、未読の人は以下、気を付けて下さい。 目的の古文書を手に入れること。絶対に失敗は許されない。ここで遂行されるのは「窃盗」で、その…
朝から奥さんの陣痛が始まったので今日は休ませてくださいと連絡が来た。今日彼は休みだとさ、と彼のチームメイトに伝えたら、相手もすでに知っていて了解済みとのこと。ところで陣痛って、はじまったらどのくらいで生まれるものなの?と聞いたら、それこそ…
水泳をしていて、昨夜はかなりいいペースに自分では感じられた。後半にきても身体の動きが疲労感に押しつぶされる手前で持ちこたえて、一定の力をキープしたまま泳ぎ続けていられた。これなら新記録が出るかもしれないと思った。単純に三十分間、泳ぐこと。…
仕事から先に帰宅した妻が、いよいよ先日買ったばかりの新しい洗濯機を初稼働させたら、スタート直後に警告音を発してエラーコードを点滅させ停止してしまったとのこと。見事に初期不良品を引き当ててしまったので修理交換依頼の連絡をしなければならない、…
リモートで会議してるときに、自分の声とマイクが拾って皆が聴いてる自分の声が少しズレるのが、自分の分離感、離人感を思わせるという感覚はある。このズレこそが、物としての身体の手触りだと言える。 自分の身体を動かすというのは、ビデオゲームでコント…
朝起きてすぐに、今日はひときわ寒いとか、今日はまだましとか、体感でわかるような季節になった。寒いと外へ出掛けるのが億劫になるけど、だからと言って一日中家にいるとかえって身体に負荷をかけて不調を呼び込んでしまうような気がするというか、どうも…
三浦哲哉「食べたくなる本」のなかで取り上げられていた料理研究家のなかでも、とくに印象的だった細川亜衣の「愛しの皿」を先日ようやく図書館で借りてきたのだが、実際にページをぱらぱらとめくってみたら、これはたしかに異様なまでに接写で撮影された料…
Bunkamura ル・シネマで、濱口竜介「偶然と想像」を観た。映画がはじまって、相変わらずのいつもの、濱口作品の雰囲気だな…と思った。過去作品で言えば「PASSION」(2008年)を思わせるというか、それに近いテーマを扱ってる気がした。そう思ったのは、役者が…
テレビをつけたら、キューブリックの「シャイニング」が放送されていたので、なんとなく最後まで見てしまった。息子が最初に、廊下の突当たりで二人の娘を見てしまうあたりから、エンドクレジットまで。今さらだが、そんなに面白い映画ではない…とは思った。…
トム・ディチロ「ドアーズ/まぼろしの世界」(2010年)を観た。ドアーズのドキュメンタリー映画のDVDを買って見たのだが、ああ、そうなのだ、当時のステージってこういう感じだったのだな…と。客席は人で鈴なりになっていて、警官がいっぱいいて、客と警官が入…
今、朝のドラマってこの人が主人公なのか。こんな俳優、はじめて見た、ずいぶんしっかりした雰囲気の、落ち着いた雰囲気の女性に見えるけど、きっと若いのだろうな、二十代前半くらいだろうか、そんな年齢にはとても見えない、もっと大人っぽい、二十代とい…
まだ六歳か七歳くらいの時だったと思うが、線路からほど近いところに住む友達と僕が一緒に遊んでいて、どういう経緯でかは忘れたけど、なぜか西武新宿線の線路上を二人で歩いていた。あの頃はまだ、線路立入りを阻むような囲いも柵も、大したものは設けてな…
実家住まいのころ、新宿に行くなら西武新宿線で、鷺ノ宮だの沼袋だの下落合だのは、目的地(西武新宿)到着を待ちながら、通り過ぎるのを見やる駅名、という印象がいまだにある。 沼袋駅に降りたのは、昨日がはじめてだった。中野・江古田の街並みは思ったより…
山崎記念中野区立歴史民俗資料館(通称=れきみん)企画展「東中野の日本閣-婚礼場の100年-」を観た。 日本閣、それは結婚式場である。…なぜわたしと妻は、二十年前に、自らの結婚式会場として日本閣を選んだのか、それはいまだによくわからない。当時でも…
高田博厚の「分水嶺」の最初の方で、高田は奥さんも子供もいるが収入の当てがなく、貧乏の極みみたいな生活をしてるのだが、そんな高田の元に、なぜかもっと貧乏で若い人たちが集まってくる。周囲の者だけで生活していけるように、仲間たちと様々な策を考え…
佐伯一麦「気を接ぐ」を読んでたら、作中で主人公が、借りたばかりのおせじにも上等とは言えないアパ―トのベランダの一角にある物置のような扉を開けると、そこに風呂場が設けてあるのを見て「玄関風呂」を思い出すシーンがあった。尾崎一夫の「玄関風呂」は…
コンロン・ナンカロウ(1912~1997)の名前を知ったのは相当昔のことだが、じっさいにその音楽作品を聴いたのは今日がはじめてだ。 楽器を上手に弾くためには練習しなければならない、事前の訓練と成果としての演奏。人間と楽器にはそんなスポーツ的、修行的な…
水を入れたバケツをぶらさげてその腕をぐるぐると回してみろ、バケツが上下さかさまになっても遠心力で水は落ちてこない、だから思い切ってやってみろ、と言われて、おそるおそるバケツを持って腕を回してみるが、そのまま上まで持ちあげる勇気が出ない。違…
いつも荒川の河川敷に沿って千住新橋まですすんで、橋を渡ると図書館に到着するのだが、その川沿いには散歩する人や自転車に乗る人や走る人や犬の散歩や野球する人やそれを見る人たちや凧だのラジコンだのドローンだの飛ばしたりする人たちなどたくさんいて…
さいきん我が家ではいくつかの食器皿を新たに購入した。今まで使っていた皿類が、一枚壊れて残り一つしかないとか、ちょっと欠けてるとか、そういう例がじょじょに増えてきて、適当に思える大きさや深さのものがきちんと揃ってないことが多くて、二人で囲む…
東京国立近代美術館で、柳宗悦没後60年記念展「民藝の100年」を観た。 これは展覧会を観たことの感想ではない(そういう展示内容ではない)けれども、それにしても白樺派と呼ばれた人々は、じつに多種多様で、ひとりひとりは、自分がある流派や団体を構成して…
【配信版】音楽談義vol.1(保坂和志、湯浅学、松村正人)を聴いていた。以下はそれを聴いたあとで考えたこと。 昨日書いたドアーズの「L.Aウーマン」もそうだけど、AppleMusicでは最近だと、ビル・エヴァンスのシェリーズ・マン・ホールのライブとか、山下洋輔…
ドアーズの「L.A.ウーマン」を、ものすごく久しぶりに、最初から最後までまともに聴く。なぜなら[50th ANNIVERSARY DELUXE EDITION]なるものが出たから。 「L.A.ウーマン」。まともに聴くのは、高校生のとき以来ではないか。 各楽器の演奏とボーカルで編成さ…
スーパーで食材を買うとき、会計後に持参の袋に入れるのは良いのだけど、たとえばお寿司の入った詰め合わせパックとか、魚介のいろんな部位が切り身になっておさまっているやつとか、ちょっと大き目な容器のなかに小分けにされて入ってるようものを買うと、…