2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧

チェーホフ

十二月中ごろからずっと、チェーホフの戯曲を続けて読んでいた。岩波文庫のかもめ、新潮文庫のかもめ、それからワーニャ伯父さん、それから新潮文庫の三人姉妹。今日、三人姉妹を読み終わったのだが、ただでさえ、ばらばらとつかみどころのない話が、神西清…

12月30日

昨日も今日も朝の電車がすいていて快適だ。毎日こうならいいのに。寒いけど、天気がとても良くて、電車の窓から太陽の光が座席に座っている自分の全身を包むように降り注いできて、ほんの一瞬だけ、ぬるま湯に浸っているようなあたたかさ。 今日は金曜日とい…

ほどける

こうしていると、すぐに眠くなってしまうな。 人間というのは、どんなに大変なときでも、どんなに心配事があるときでも、どうしたっていつかは寝てしまうものだ。 なんとなくだけど、人間が起きてるときと、寝てるときでは、本当に同じ人間なのかな? 起きて…

冷気

電車の中が寒い。寒さに包まれたようになってホームに立ち尽くしたまま身動きできない。なるべくじっとしているが、体中のそこかしこから熱が抜けて逃げていく。冷気の侵入を易々と許してしまっていてこのままではまずい。電車が早く来ないとやばい。電車が…

Alice in Wonderland(take2)

ビル・エヴァンスの「Alice in Wonderland」はtake1とtake2ではずいぶん違う。とくに後半のはじけ方が、まるで違う。というか中盤以降の、あのもう居ても立ってもいられないような、感情が溢れて溢れてどうしようもないような、もうコードの枠とかリズムの内…

老人・墓・夜・牡蠣

老人電車に乗った。老人電車は、路面を走る。停車場に止まって、乗降客の出入りが済むと、また走る。走り出すとき、車内の角に設置された直径15センチくらいのベルが、リーン!と鳴る。それがなぜか、行く年来る年の、年が開けて寺の鐘が鳴っているときのこ…

わにくん

「わにくん」という絵本がある。 僕がこの本を読んだのは、いくつのときだっただろうか。 今日、児童書や絵本をたくさん置いてある店で、たぶん三十年以上ぶりにその本を手に取って見た。大変、なつかしい。 ぱらぱらと頁を繰って、当時の僕がもっとも心惹か…

An American Band

今日はよく寝た。昨晩寝たのは遅くて、それで何時に起きたのかもう忘れたが、たっぷり寝たいと思っていたので、目がさめて、おお、よく寝たのだと思い、願いがかなったから満足したほうがいいと思って起きたら、妻がキッチン周りを猛烈な勢いで掃除している…

冬朝

いよいよ、寒くなってきた。どのときがいちばん寒いかと言ったら、やはり朝の中目黒で、日比谷線から東横線に乗り換えるまでの、高い場所で風に吹き晒されてるホーム上に佇んでる数分が、いちばん堪える。で、東横線も車内なぜか微妙に寒くて、このあたりが…

センチメートル

ぐいぐいと歩いて駅へと急ぐ朝。 電車も走る。停止信号で止まると運転手が心からすまなそうな声で乗客たちに詫びる。お急ぎのところ、ほんとうにすいません、ほんとうにすいません。誰も何も言わない。ただじっとその場に立ち尽して、電車が動く気配に全神経…

Blue Flame (car)

今日は寒かった。いちばん寒い。いよいよ来た。今日はロケット自動車についてウェブの記事を読んでいた。Blue Flameが1970年に時速1014キロを出したときの映像など。Blue Flameの車体は、まだ僕が4歳か5歳くらいの、小学校に行く前のほとんどかすかにしかお…

成り行き

受容することが難しいのは、もともと自分が一方的に受け入れるだけの存在ではないから、というのが大きな理由としてある。「寝ている間に全部頭に入ってたらラクで良い」などと想像するのは、まあ、気持ちはわかるが、しかし、受け入れようとする力と、自分…

椿

猫だ。ごろごろ寝そべって、地面をのたうちまわりはじめたぞ。これって、私にかまって下さいっていう意味?わかんない。くにゃくにゃしたいんじゃないかな。さわったら逃げたね。うん、やめてよっていう目で見てるのね。でもずっとこっち見てるね。空も、あ…

師走レコード2011

休日出勤。早起きして会社へ向かう。業者が入るのに立ち会うだけなのでとくにすることもなくぼーっとする。窓の外を見ると素晴らしい陽気。午後過ぎて、三時半くらいに終了。御茶ノ水まで歩く。ユニオンすごく混んでいる。じっくりと棚を見たけどとくに買い…

女給

空いたお皿をお下げします。うろうろしています。胡乱な動きをする女です。そう、私は女給です。永井荷風が描いた君江の血を継ぐもの。徘徊します。目線を移動させて、あたりの様子をうかがいます。口元に笑みを浮かべます。まばたきはしばらくやみます。た…

お盆

手をみる。手のひらにお盆を乗せる。お盆はステンレス製で、直径は40センチくらいある。だから、手のひらにお盆を乗せるという言い方は、ちょっとおかしかった。手で、お盆を持ったというか、持ったと言ってもお盆を普通に持ったわけじゃなくて、下から手で…

フロント

申し訳ありません。本日は先に休ませていただきました。恐れ入りますがまた明日、お越しくださいませ。 深夜、ビジネスホテルのフロント。暖房が効き過ぎでからからに乾燥しているので、鼻の中と口の周りはかさかさの状態。朝方に近い真夜中。カーペットの上…

祐天寺

思いつきから始まることだってある。いや、その方が多い。いや、その方が圧倒的に多い。ところでさっきからずっと、同じところをぐるぐるしてるだけ。まあ少し落ち着こうよ、コーヒーでも飲もう。そう言うと相手は不服そうな顔のままカップを受取り、黙って…

寝ます

今日はとくに何も書く事はありません。何も言う気がありません。今日一日に満足です。過不足なしです。そろそろ寝ましょう。本来ならもっと早めに休ませていただくはずだった。もうすでに若干遅すぎるのです。少し焦ってます。ぼくは もう寝ます。君も、いつ…

新宿三丁目

昼過ぎまでもたもたしてたが、意を決して買い物のために外出。午後三時前に新宿着。デパートのフロア内は人でごった返していた。冬物を買うためにやって来た。もし今日買わないなら、来週また買いに来なきゃいけない。どうせ買わなければいけないのであれば…

純米生原酒

冬のよく晴れた日。甘いものはあまり好きではないはずだが、でもこの酒はおそろしく甘い。日本酒は好きだが、日本酒というのはだいたい甘いものだが、酒なら甘くてもいいらしい。しかしこんなものをいつまでも飲んでいたら、ひょっとしたら虫歯になるかもし…

寝よう

よし、寝よう。よし、じゃあ、もう寝よう。よし、もう電気を消して寝よう。よし、じゃあもうそろそろ。よし、もういいから。よし、もう寝るから。よし、寝ていいよ。よし、さあ、はいどうぞ。よーし、もう寝よう!よし、どうぞ、お先にどうぞ!そう、よし!…

8

2008年は良かった。仕事をしていた。ブログを書いていた。毎日、部屋に季節の花がいっぱいに飾ってあった。今はもう、それぞれ散り散りの、離れ離れになってしまった友人達が、当時はまだ一緒だった。もうずいぶん昔のことのよう。皆で、毎日飲み歩いて、ま…

三重

週末は図書館に本を返す。あと新しいコートを買おう。買うならもっとちゃんとした店で見よう。いや、でもやっぱり買わないかも。新宿がなあ。あと、借りてきたDVDとか買ったDVDとかをいいかげん見ないとたまる一方だ。いや、うそ、何も買わないかもしれない…

The Zombies

夜の帰り道がとても寒かった。とはいえ、まだ本格的な寒さではないだろう。家までひたすら歩く。The Zombiesは昔から大好きだなグループだが、歩いてる途中で、ふいに掛かったThis Will Be Our Yearは良かった。この曲に限らずThe Zombiesは掛け値なしに素晴…

口内の役

口内炎とは長年の付き合いであるがゆえ、炎症が生起してもまたいつものことかと思うくらいで大抵驚かないし痛みにことさら苦しむこともない。軽いものであればほぼ意識下に上らぬほどで、自分の意識下にはもはや口内炎痛に対する耐性が確立してしまったらし…

晴れ

起きたら素晴らしい快晴。朝の強烈な光が、窓から差し込んでいた。ベランダに妻がいて、僕が起きたことに気付いたらしく、檻の外から動物を観察するみたいな様子でこちらを見ていた。 一日ほぼ読書。休日は積み重ねた十冊以上の本を持って、窓際の部屋に行っ…

谷中

午後を過ぎて、雨が上がったので妻と出かけることにした。 時刻は四時過ぎで、我々としては、この時間からの外出は珍しいことだ。気温は思ったよりも高く快適である。外の景色が新鮮に映る。空が暗くなりかけているがまだ日中よりも数段階暗くなった程度で、…

在宅

今日は会社を休んで、いったん、七時前に起きて、その後で二度寝した。次に目が覚めたのは十時半で、こんなにたくさん寝たのは久々だったので、うわぁ十時半かよとやや驚いた。起きてしばらく経つまで、しっかりと睡眠を取り得た満足感の余韻に浸った。これ…

スイッチ

部屋から出るときは、いくつかのスイッチを切る。 まず左下にあるスイッチを切る。シャットダウンが開始されるので、その間に残りのスイッチも切る。 スイッチは合計四つ。そのうちふたつは、椅子から立ち上がらないと手が届かない。もうふたつは機械の裏に…