「楽日」


ツァイ・ミンリャン監督作品  楽日 [DVD]


DVDにて観る。ほとんど客のいない映画館を舞台にして、びっくりするほどの長回しが延々続く。映写機の音とか、人が動く音とか、そういうのだけで、動きらしいものも声もほとんどない。映画の音や声だけがうつろに鳴り続けている。しかし、とにかく起こる出来事の様々な細かな事が、とても強く観るこちら側に作用してきて、うわぁこりゃ相当すごいものだ、もっと気合入れて観始めれば良かったなあ、とか後悔しつつ、そのうちあのペースに惹き込まれていって、もう集中力も何もなく、はめられたような自分の状態のまま、起こってることを見つめるしかない。すごく面白いのだけれど、みていながら、あとで全部観なおしたら更に面白いだろうとも予想がつく。というか、これは一度では絶対に観切ることなんか出来ないだろう。あまりにも観るべき箇所が多すぎる。


なんかもういつものように色々書いて、ここにいつものように文字がいっぱい並ぶのがちょっと嫌なので書かないけど、とにかくすごく良い。素晴らしい体験だと云える。


ラストとかかなり感動的で、しかしもう終わりなの?という感もあって寂しい気持ちになる。またしばらく時間がたったら、もう一度観るだろう。そのときがまた楽しみである。