アナログ色々と買う


昼休みに御徒町南口あたりを歩いてたらレコード屋を発見した。最近出来たばっかりっぽい店で、アナログ(国内モノLP)がたくさんある。洋楽も有名どころがわりとある。80年代モノが多いかも。でも汚れの少ない、総じてかなりキレイな商品ばかりだ。適当に棚を見てたら「NAUTHY BOY」というタイトルのRCサクセションの12inchが安かったので買う。後、仲井戸麗一の1stアルバム(LP)も買う。あと、ローランド・カークのLIVEビデオ「The One Man Twins」を発見して、大変安価だったのでこれも買う。


たぶん、今日一番の掘り出し物は「The One Man Twins」の映像で、これを安価にゲットできたのは大変な幸運であり、たまにはこういう事もあるのだ、と自分の人生に少しばかり明るい兆しを見出してもさほどおかしくないくらいラッキーな出来事なのだが、しかし気分というのは気まぐれで、そんな僥倖をさほどありがたがっていない自分というものがいて、それよりもなるべく早く、RCの「NAUTHY BOY」を聴きたいという気持ちが全体の8割を越えている状態だったりするのだから不思議なものだ。この12inchと、あと仲井戸麗一の1stは、どちらも中学生のとき通ってた塾の向かいにあった貸しレコ屋で借りて聴いていたものだ。僕にとってのRCは「ハートのACE」発売直後くらいの時期で、その頃のRCは、一度成功してしまった後の祭りの後の空しい静けさの中にいるかのような特有な倦怠のムードを漂わせていて、盛り上がりも売り上げもピーク時より相当低迷してるっぽいというか、世間一般が云う所の「そろそろ落ち目」とか、下手すると「あの有名人は今どこに」とか言われかねない頃で、だからこそ自分としてはそんな疎外・孤独の風を、勝手に自分の事のように、自分自身の剥き身な感覚に重ね合わせるかのように感じながら、当時リリースされていた作品群を聴いていたので、まあ80年代半ばのRCというのは妙に感慨深いのであった。まあ、それを今聴いたとして、ただのノスタルジーに浸ってるだけといえばそれだけなのだけど。


で、久々に聴いた「NAUTHY BOY」だが、「マリコ」のあまりにも大仰なアレンジは今の時代はさすがにないわ、と思われた。ドラムとか本当にすごいリバーブ。大浴場で録音したみたいなサウンド。。でも「海辺のワインディングロード」の音質はムチャクチャ素晴らしかった。あーこれすごい!こんな良い音だったの!と思って感動。仲井戸麗一の1stはこれはもう、自分には良いとか悪いとか言う事の意味がないような、過去の記憶そのものみたいな音で、しかしなんという暗くて閉鎖的な世界なんだ。。でも、「MY HOME」とか「月夜のハイウェイドライブ」の、いてもたってもいられなくなるようなこの寂寞感は何なのか。人の「幸福」というものがこれほどさびしいものなのだとしたら、人は幸福になどなるべきでは無いのじゃなかろうか?下らない事にあくせくしてた方が「気づかない」ですむだけマシじゃなかろうか?…とか何とか思ってしまうような…でもやっぱりふたたび聴いてしまうような…冬の、久々に点けたストーブの煤の匂いが部屋に充満していくときのような…そういう歌だ。


で、結局「The One Man Twins」だけまだ未試聴な状態。。