Lady Madonna


低血圧なので朝はいつも朦朧として登校する。今日も満員電車の中でうとうとしていた。満員電車の中で、人と人のあいだに押しつぶされながら眠っているなんて、小学生時代の僕が今の僕を見たら、なんと思うだろうか。僕もずいぶん、落ちてしまったものだと思った。学校でも半分ぼやけた頭で、座っているのにほとんど意識はない状態。去年付けられたあだ名が「スリーピー」で、たぶん今年も似たようなあだ名が付く可能性は高い。とにかく見るとほとんど寝ていると黒沢君から言われてしまった。


今日も予備校に行った。若宮君からビートルズのヘイ・ジュードを借りた。やはりレディ・マドンナは素敵な曲だと感じた。あんな風にピアノが弾けたら、どんなにいいだろう。聴いてるだけで本当に幸せな気分になる。長谷川さんにも聴かせたい。いや、むしろ長谷川さんがきっとレディ・マドンナなのだろう。(…って。)


Lady Madonnaは、いまあらためて聴いてもほんとうに素晴らしい。ポールマッカートニーお得意の、ピアノのイントロで曲の印象を完全に定着させ、聴く者の心をがっちりと掴んで、あとは適度に洗練されてて、適度に粗野で、すべてが好ましい配置で、最後までもっていく。まさに完璧という感じがする。完璧なのに、じつに簡素で、当たり前のような曲であるところがすごいのだ。


ちなみに最近、一番頭の中に鳴ってる曲はビーチボーイズのSurf's Upで、今までさんざん聴いたにも関わらず、また性懲りもなく聴いてしまう。これは、ほんとうにうつくしい曲だけど、でもこういう音楽をやってるバンドには絶対できないような曲が、たとえばLady Madonnaではないか。(いや、60年代後半以降のビーチボーイズも勿論とてつもなく素晴らしく、それはよくわかっているのだが。だがしかし。)