女性の脚と私


というか、僕は画を描いていますが、主に「女性の脚」を描いているんですね。


はじめて「女性の脚」を画に描いたのは小学生のときだった。


当時、「立体的な絵を描けるなんてスゲー」とかそんなレベルで周囲から絵の上手いヤツと認知されていた。


図画・工作の時間はいつもぶっちぎり!僕以外、全車周回遅れにしてやる!(実際はそんな事全然なかったが) そんな、画の上手い小学生としての誇りをもって生きていた!でも成績もそこそこの位置をマークしてたしね!トータルで中庸の美学!って言うか。そんな心掛けでいまして。我が事ながら、信じ難くイヤな餓鬼であった。


ある日、なぜか僕は、近所のスーパーマーケットの公告に掲載されていた女性モデルの脚を懸命に模写した。
今思い出しても、別に性的なイメージに惹かれたわけでは無かったと思うんだけれど…、まあ一生懸命描いて、なかなか上手くいったヤツを、かなり得意げに母親に見せたら絶句してた(笑) …そのときの母の顔はなんとなく憶えてます。


その後、高校では超世渡り下手のリカバー策として、ひたすらヌードの画を描き周囲に進呈する。という最悪の贈賄行為で3年間を乗り切った。男子高だったのですが、ほんと、高校生の男子って馬鹿で、芸能人の顔の切り抜きの下に、適当に裸身を鉛筆でさらーと描いてあげると、もうこの世のものとは思えぬ宝!ってな感じでお喜びになるんです。で、リアル・猿さながらに「さかなか!次これに描いて」とか言っていろいろな素材を集めてくれると。僕はひたすら描きまくってお渡しする。と。


で、そんな行為の行き着いた先なんですが、文化祭のとき、校舎の一階から三階まで覆うような巨大な壁画を作成したのですが、そこに丸出しのおっぱいを描かせていただきました。あれ、問題にならなかったんだから、なかなか理解のある学校であった。(下手すぎて問題視の必要がなかったのかもしれぬが)



裸の女性描いて、あんなに喜んでもらえるというのは、この世の春ですよ。でも春は短い。大学入学以降、そうは問屋が卸さない。と…。お前の描くものを、誰も必要としないし、お前の内面に、誰も興味ない。と。ママゴトは、終わりだと。