左手でつり革に掴まって、窓の外を見ている。右手で握っていた手摺りの持つ位置を替えて、冷たい部分を選んで握りなおす。ガラスの向こうの暗闇に、ビルの窓の光や店の看板の光や車のヘッドライトが次々と流れ去っていく。それに重ねて、黒く影になった自分…
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