十一月


昨日、ギャラリー川船で観た「末松正樹 未発表小品展」。紙に鉛筆、ペン、インク、水彩などの仕事ばかり数十点並んでいて、小品だったら大体こんな感じだろうと予想していたよりも、実際には全然素晴らしいものだった。


今日は先週買った高橋悠治カフカ/夜の時間」をなんとなく読み始めたら、そのままひたすら読み耽ってしまう。これは、ほんとうに素晴らしい。休みの日を一日、本を読んでいたというより、今日一日がこの本に食われてしまった。


もう十一月だ。十一月という月は好きだ。十一月という言い方の、慣れない感じ、語感の悪さが好き。べつにそんなこともない?なんとなく、少し多い感じがして、ちゃんときまってないように思われて、そこがかえって好きだが。言い方が、Novemberだと、かなりはまっていて、いきなりかっこよくなる。カタカナだとノベンバー。まだセプテンバーとかエイプリルほどには慣れない。


季節としても、汗もかかないし、身が縮むほどの寒さでもないので、まさに丁度良い。一年でもっともいい季節かもしれない。でも毎年のことながら、季節の下で、ようやく汗をかかなくなった途端に、唇や指先から潤いがとび、たちまちがさがさと乾燥し始めるのには閉口するが。