Dday


今日は保坂和志「残響」、カフカ「城」、桜井哲夫「占領下パリの思想家たち」、ベケット「モロイ」、稲垣足穂ライト兄弟に始まる」を回し読む。夜から「残響」だけにして、先ほど読了。


ベケットは、レジスタンス活動したのか。正直自分は、戦時下のフランスが一番恐い。コインの裏か表かで絞首刑が決まる瞬間を、いつも想像してしまう。ドリュ・ラ・ロッシェルとか、サルトルとか、サン=テグジュペリとか、あいつは立派だけど、あいつはダメだとか、そんなことをいったい誰が、どの口が言えようか。僕が戦争が恐ろしいのは、こういうのが一番恐ろしいと思うのだ。


そのようなモヤモヤとした、忸怩たる、割り切れなさをもって「モロイ」に向かうと、なぜかあの展開されている混沌の下、一層か二層いつもよりも奥へと入っていけるように思うのだ。