朝へ


両親の実家だと思う。親戚の家か、親戚の知り合いの家かもしれない。古い当時の庶民的な日本家屋の居間にいる。夜である。縁側で靴を脱いで上がったのか、玄関から上がったのかおぼえてない。皆が出掛けようとしているので、自分も立ち上がって靴を探すが、縁側の下にも無い。玄関に行くと、なぜかそこにも無い。困った。靴が、どこへ行ったのか。しばらくそのまま立ち尽くす。考えている。もう少し探してみようか、それとも、そうか、これはもう探すのをあきらめて、目覚めればいいのではないかと思う。そう思ったら、本当にこのまま、靴が行方不明のままでいいのかという強い葛藤が沸いたけれども、ふりきった。目を覚まして起き上がった。朝である。こんな目覚め方ははじめての経験だったかもしれない。