2007-01-20から1日間の記事一覧

「モオツァルト・無常という事」 小林秀雄

僕は、星が輝き、雪が消え残った夜道を歩いていた。何故、あの夢を破る様な笛の音や太鼓の音が、いつまでも耳に残るのであろうか。夢はまさしく破られたのではあるまいか。白い袖が翻り、金色の冠がきらめき、中将姫は、未だ眼の前を舞っている様子であった…