素材と私


難しいのは、もともと弱い素材を使ってるはずなので、それがほんとうに効果的に見える「画面への適切な付き方」があるのに、制作に没頭していく過程でその按配を忘れて近視眼的になって、目の前の狭い領域で起きてる事を「すごい効果的な感じ」と錯覚して、遠くから見るとほとんどよく判らないような事をし続けてしまう事。常に冷静でいないと駄目。5分も別のところに視線を向けて、気持ちをニュートラルにして、改めて画面を見ると、すごい白々とした自分の作品が視界に入って、呆然とさせられる…と(笑)・・・でもまた観続けるうちに、次第に「いやそれほど悪くないだろ」という思いが蘇ってきて、さらに手を加える・・・と。


で、いつか、この絵を観てくれる他人がいてくれるとしたら、僕のように「いやそれほど悪くない」と感じてくれるか?もしそう思ってもらえたら、多分生きてて良かった。ってハナシなんだろう。でも他人が何を考えているかは、絶対判らない。そういうレベルで判ろうとしてはいけない。そういうのはきっと、はしたない。自分の思うところを信じて、やるだけなのです…ソレしかないんですよー