「太陽」(銀座シネパトス)


イッセー尾形の一人芝居は、ステージを観た事が無いのだが今まで発売されたビデオなどの半分以上は観ているくらいには、僕はイッセー尾形の一人芝居を観てるのが結構好きである。なので、そういう自分にとってこの映画を観てるのはかなり楽しい時間であった。というかこれは、イッセー尾形の一人芝居といって良い内容の映画だった。歴史上ののっぴきならない瞬間の、運命の一瞬を舞台にしているにも関わらず、主人公は細かな、小動物のような動きを繰り返してるだけで、映画を推し進めるようなダイナミックな動きを、ほぼ何もしないし、何かをしようとしていても、ほぼ意味が無い。というか、そういう事よりとてつもなく些細なしぐさや表情やなんかだけがクローズアップされ、印象として刻まれていくだけで、つくられた表情の演技やしぐさなどの精巧さの延長だけで、映画すべてが出来てる感じ。観終わると、深い余韻を残してくれるが、やはりイッセー尾形の一人芝居を観たときの感触の延長で捉えられてしまう感じ。ゆえにDVDなんかで何度か繰り返して観たい気持ちにさせるが、出るのだろうか?