ローラースルーGOGO


昨日の文章を書いた後、車体に回転軸運動が可能な機構を備えた乗り物があっただろうか?と考えていて、いきなり「ローラースルーGOGO」を思い出してしまった!!これを思い出すなんて、まったく想像だにしていなかったので、大変驚いた。でもこれはたしかに、そのような機構を備えた乗り物だ。単純な、ペダルを踏むことで後輪を駆動させるだけの子供向けの玩具だが、旋回は乗っている本人が曲がりたい方向へ重心を移動させるのだ。そうすると、足を乗せている土台に、ボディの支柱を捻るような力が加わり、それで車体全体が微かにねじれた状態となって、旋回するというものだ。そのかすかな捻れを許容するだけの回転軸が機構として搭載されていたのである。これはもう、どう考えてもピザ屋のスクーターの先祖である。


という僕の想像をさらに裏づけ、決定付ける情報がwikipediaにあって、始めて知ったことだが「ローラースルーGOGO」は本田技研工業の製品なのであった!!そして僕が散々ここで引き合いに出している「ピザ屋のスクーター」というのも、要するに本田技研工業の「ホンダジャイロ」なのである!!両者は、技術を共有していたのだ!というか、僕は図らずも無意識のうちに、一見まったく無関係であり僕の脳内の記憶領域においてもまったく無関係な場所にそれぞれ保存されていたの過ぎない、まったくどうでも良い情報としてのふたつの記憶を、何の外部依存先もなく呼び出して、結び付ける事に成功したのだ。いやそれはむしろ、記憶の断片それ自体が、自らの意志をもつかのように勝手に上層領域に浮かび上がってきて、結びついて、今ここに、文字として結実したのだ。それが僕の脳内の働きに関する驚くべき作用ととらえるべきなのか、はたまたホンダという企業の偉大さを示す事項ととらえるべきなのか、それはわからないものの、とりあえず今のこの世界において、なんだかんだ言っても僕たちが、手軽にデリバリーピザを利用できるのは、30年前に「ローラースルーGOGO」がたくさん売れたおかげなのかもしれない、という仮説を立てる余地が生まれたことだけは、たしかだろう。