本を読むというのは、正月休みみたいに時間がいっぱいあると却って読めないものだと思った。家のソファーに寝そべってくつろいだ状態で読むよりも、電車の中とかお店の限られた時間と不自由な状況の中で読むほうが逆に読めるというか、読書するためにわざわざ場所を変えるというのは確かに効果的かもしれない。


iTunesはアルバムの表示が便利で、大量にあるアルバム群から、どれを聴こうかとざーっと見渡すときにはグリッド表示(表示サイズ:最小)にしてアートワークをスクロールするととても見やすい。何を聴こうかな?と思いながらリストを見る、と思ったときの、最も洗練されたビューを提供して頂けているという感じだ。


でもこれだと便利すぎて、音楽を聴くならiTunesという事にどうしてもなってしまう。できれば、再生装置に媒体を挿入して聴きたいのだ。でも、CDってもう探せないのだ。大量にあって、何が部屋のどこにあるのか全然わからない。逆に、その探しにくさこそが、CDとかの利点だと云いたいくらいだ。積み重なってるCDの山から、ふいに思いがけないかたちでの出会いが生じる。あの盤に再会した、みたいな、そういう事こそが物理的な蓄積の面白みかもしれない。


とはいえ、現状では「あれ」を聴きたいと思ってもほぼ絶対に出てこない。なので、今あるCDをほぼ収容しきれる棚を買って、ちゃんとアルファベット順とかに並べようかとも思っているのだが、数万円かけて、しかも市販されているヤツでは確実に全部は収容し切れないからやや躊躇している。でも買えばずいぶん、聴くという事に関して何かが変化するはず。iTunesに対抗するためにも、棚は必要な気がしている。収納したいのではなく、活発に出し入れしたい。活発に再生させたいのだ。