魚か



おいしそう。なぜこれほどおいしそうなのか。値札までうまそうに見える。水に濡れた黒いコンクリートの表面までうまそうにみえてくる。スズキもうまそう。この市場は売ってるところだが、両親の実家は港町で、漁港や魚市場もあって、一般の人は購入できないような市場だが、そういうところだと、やはりさすがにもっと殺伐としていて、魚は同じように並べられているものの、流れる血の量が半端じゃないというか、まさに殺戮の場という雰囲気で、とくにデカイ魚とかがさばかれたりすると、すさまじい量の流血があたりを真っ赤に染めるので、あれを見ていた当時の、子供の頃は一瞬ほんとうに魚を食えなくなりそうなほどショックだったが、でも食えなくならなかった。やはり魚はうまい。