湿潤


湿気のなかにいるような一日だった。水を含んだ重い空気が身体全体を取り巻いていてとても気持ちいい。午前中は録画したテレビを少し見て、その後はほとんど本を読んで、窓をあけていると風が入ってきてさわやかだ。あとで買い物に出かけて食べるものを買ってきて帰ってからまた少し続きを読んで、その後で風呂に入って、その後で早めに食事にした。その後でDVDを観たりしていたら、そうこうしているうちに夜になった。今日は僕としては満足できる一日だったが、どうだったろうか。まだ読んでない本を適当に選んで読みはじめて、適当にやめて、また別の本を読み始めてという感じで、何冊か冒頭部分だけつまみ読みして明日からどれを読むかを選ぶ。気分次第で選ぶのでかなり意外なチョイスになる。


使い捨てカメラを現像に出すのをまた忘れた。これ何ヶ月前のやつだっけ。何が写ってたっけ。先週撮ったっけ?先週じゃないよね。もっと前だよね。なんか先週のことがついニ、三日前のこのような感じがする。先週はたしか雨がすごく降ってた。昨日はすごく晴れてた。初夏の日差しで背中に日の熱さを感じた。半袖で歩いた。それって昨日だっけ?昨日はすごく歩いて妻は疲れたみたい。気付いたら夜の七時か八時になってた。その時間まで二人で外にいたのは久しぶり。それで帰ってわりと早めに寝た。


今年はとくに、時間のたつのがすごく速く感じる。もう一年の半分が終わってしまったというのは結構衝撃的だ。2009年あたりのことと、2010年あたりのことが、ひとまとまりになったまま、去年の夏場前後の事だったかのように感じる。一年前と二年前の区別がつかない。もっと昔だと、二年前っていったら相当昔のはずで、二年前の自分って懐かしいなあというような感慨的なものが必ず感じられたのに、今の自分にとってはもう、二年前なんて全然いまとかわらない。何の昔っぽさもない。いや、音楽のプレイリストで二年前のセレクトとか見ても、全然懐かしくない。いまとあんまり変わんない。うわぁ二年とか普通に当たり前に消費するようになってしまったのか。なんという燃費効率の悪い人間になってしまったのだろうか。年単位でそんな状態だから、それこそ二ヶ月前とか三ヶ月前なんていうレベルの時間間隔だと、ほとんどもう、ある深さと奥行きをもった時間の堆積という感じに思えない。ついこの前、という感じにしか感じられない。もはやあまり、現実の時間を生きてなくて、ぼんやりしたまま暮らしてるだけ、ということかしら。