歯磨きしている間に、もうすでに、ここに何か書いてあった。誰かがここで素早く書いたらしい。コップがひとつ置いてあって、なかは空だ。自分が、どのくらい席を外していたのかおぼえていないが、ほんの数分程度の時間で、誰かがここに座り、コップの中のものを飲み、何かを書いたことになる。それはまちがいなく事実なのだ。気味の悪い話だが、起こった事は受け入れるしかない。しかし誰が、なぜ、いったいなんのために。