野菜のように、時間が経つと変わってしまうもののことを気にかけている。肉も変わってしまうのだが、肉は腐るということだろう。野菜は、腐る以前に、変わる。その段階のどこに自分が位置づくのか。ワインなどもそういうことになる。水分の動きを、これはどうしようもないので、神の信仰と同じように信じて動く。やはり救いは来ず、じつは、この地点においては、誰もが孤独なのではないのか。そのワインがどうかなんて、今たまたま、そうだというだけだろう。空しい未来への賭けだ。

 身体の中を、どうにかいて、菌糸のうごめく、別の場所にしてあげたい。羊歯や苔の生える土壌にしてあげたい。そして肺腑の底から、植物たちの吐く息があがってくるのを感じて、夜になったらまた、ジンベースの酒を飲んで無根拠であてずっぽうな別セグメントへの通信を試みたい。ダメでもかまわないから、しばらくそれを試していたい。