ほとんどぼけーっとしていた。

昨日と今日でプイィ・フュメを二本飲んた。「煙でいぶした」という意味の名を持つ、「燻製のような、あるいは火打ち石を打ったようなと表現される独特のアロマ」というのが、今は好きで、前と較べると今はワインの何を感じたいのかというとミネラルを感じたくて色々と飲んでいる。ハーブやスパイスなどの奥底からも感じられる、ちょっと人間が口にすべきものとは違う、出所も質も異なる何かが入り込んでしまったような、そういうふとした間違いのような感覚を感じたい。

「流れる」読了。これの何がいいと思っているのか、うまく説明はできない。しかし、この作品が実現している何かには、まだしつこくこだわりたい。

台風の音。塊りのような風にのって雨が、窓ガラスに細かい小石があたっているのじゃないかというくらいの音で叩き付けてくる。

十秒もすると静かになる。遠くの風の音。そのうちまた、しだいに音が高まる。

勢いの強いものとそうでないものとが交互に来る。まるで飛行機が飛んでいるように、あちらではなくこちらが動いているような錯覚。動いているというか、自分を包んでいるものが動かされているような、地震や台風の錯覚。いや、錯覚ではないが、地震や台風は、それが起きている間中、つねに自分の感覚を自分で錯覚し続けているようだ。

明日は晴れるのかどうか、ネットを見ているところ。