本気の寒さを発揮した夜。


ひさびさに、上野に降りて、路上で寝ている人の多さに、あらためて驚く。この寒さで、余計に悲惨を感じる。今ここで寝ることを考えてみろ。だったら、今ここで寝てみろ。


無理だおれは無理。寝るのはいいけど不衛生なトイレとかがダメなのだ。すいません開放戦線には参加できない。


今日は、おれは、左翼だ。


どこもかしこも、簡易的な寝床がいっぱいあって、うずくまって座っていて、どこもかしこも、柱の根元も、壁際も、人ばかりで、その空いた真ん中を、主に若い人が、あるいは、僕を含めた忙しない感じの人々が、ひたすら歩いて、突っ切っていく。


若者は楽しそう。年寄りは路上で寝る。それが現実なのか。上野はまさに、そういう感じ。


寝床の、毛布のピンク色。段ボールの囲い。ジャンバーの灰色。被っているキャップ型帽子のオレンジ色である。寝床なのだ。これから朝まで、何時間。


僕はこれから。、ステーキを食べに行く途中だ。三人待ち合わせて。


もうすぐ世界共和国ができる。そしたらもう、鉄板焼きのヒレ肉も、これで仕舞いだ。


みんな、すくわれる。でもあの料理はもう、食べられない。


何もおぼえてない。何も、忘れてしまった。


でも、いいよね。また味回。