天気は午前中曇りで、午後になって良好、というかほとんど初夏。散歩というか電車に乗って、てきとうに。国分寺殿ヶ谷戸庭園に行く。モッコク、モミジ、竹、松など、公園にありがちなケヤキやポプラやクスノキはない。庭園だから当然だが。意外にこじんまりとしていて30分も歩いてぐるっと一周してしまった。そのあと少し駅周辺を歩く。高校一、二年のときは国分寺、三年のときは三鷹の予備校に通っていたが、国分寺の駅前も何も、昔とはずいぶんかわってしまった。しかしかわってない建物や店もあり、その境目がけっこうあらあらしいというか、変わらずにいようとする抵抗感が地味にしぶとい感じ。まともな抵抗ではなく、面倒くせーからいいよこのままでーみたいな感じ。そういうほうがなるべくならいいのではないかと思うが、まあ、いうほど昔のことをおぼえているわけではないが、たしかここに本屋があって雑誌を立ち読みしてたとか、南口には古本屋があったとか、このへんにラーメン屋があったとか、友達とお好み焼き屋に入ったとか、そういう記憶だけがあり、それらの場所には今はもうまるで違う建物が建っていて記憶に紐付くようなものなど跡形もない。というか、じつはほとんど、記憶もない。といってもいいくらいだ。そもそも、僕の両親は、僕が生まれたばかりの一歳か二歳くらいのときに国分寺に住んでいたらしいが、あたりまえだがそんなことは実感できるわけもない。ところで殿ヶ谷戸庭園自体は昭和四十年とかそのあたりからあるようだが、少なくとも僕は高校生のときは殿ヶ谷戸庭園なんてまったく興味がなく、駅の南口を出て左手の方を歩いていたことは何度もあったが、そこで右に見えている緑などはまったく視界にも入ってなかっただろうから、殿ヶ谷戸庭園は今回、国分寺にはじめて発見した場所である。一応の目的としては、今日はそのために国分寺に来たわけだし。歩いていて、そのうち疲れてきたので、早めに地元に戻って買い物して家に帰った。僕は平気だったが、花粉が多いのか、街中にも電車の中にも、鼻が辛そうな人がたくさんいた。