寝不足で、宙に浮かんでるみたいにふわふわとした足取りで出勤する。あまりにも眼が覚めてないので、かえって電車の中で座っていても眠れない。本を読んでいると、そのときそのときの場面ひとつが異様に鮮烈だけれども、連続性をほとんど感じない。そして、やがてサドン・デスみたいに眠りがやってくる。はっと気付くと、もうすぐ目的地だ。次に気付くと、もう今降りる瞬間だ。わかっているよ、と思って、ふらふらと電車を降りると、日差しが思ったよりも強くて、眼の上半分に血が下りてくる。