今日で五月だと思うと、あーぁ…という思い。毎年そうだけど、五月は面倒くさい仕事がある。今日から納期まであと二十日ばかりしかない。そう思うと心底うんざり。そしてこのうんざり感から、しょうがないからその気持ちを引きずりながら、温い空気の中を身体をぐっと進めて、神田川の脇を抜けて、もやっとした空気を押しのけてガード下の路地の奥に入って、まだ夕方の光がかすかに差し込んでくる店の入口脇の席で、早くから飲み始めるか、お客さん、前にいつ来ましたっけ?去年でしたっけ?どういう話しましたっけ?あー!思い出しました。あー、思い出しました。お帰りですか。ありがとうございました。また来年ですか?という気持ちにつながってくる。それだと、ああなるほど今年も確かに夏が来るのかとしみじみ実感。